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2010年11月16日 (火)

表展作品のメイキング⑱(覚ver.)<『耳』を作ります>

こんばんは玉木覚です

今日は表展の掛軸のメイキングですちょっと間が空いてしまいましたね前回で付廻しが完了しました。これで見た目はなんとなく掛軸に近くなりましたここまでで、掛軸完成まで約60%の作業が終わったところです

7 ←付廻しが完了したところ

では、今回のメイキングに入りましょう。今回は掛軸の『耳』を作りますと言っても、掛軸の耳ってどの部分でしょう。地味過ぎてよ~く見ないと気付きにくいです

1 ←掛軸の裏面

この写真でもわかりにくいかも・・・。耳は掛軸の側面にある布を折り返した部分です。

2 ←写真中、矢印の先にある縦のラインが耳です。

ネッ、地味な部分でしょさて、この地味な『耳』ですが、次のようなことに役立っています
①掛け軸の側面の補強。
②小口(切り口)の化粧
③掛軸を巻いたときに掛軸の裏面と表面が擦れにくくなる。
地味な割には良い働きをするやつだったのね、耳君

では、耳を作りましょうお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、耳を作ると言うことは掛軸の柱を完成させてしまうことを意味します(付廻し完了の段階では、柱の外側は何も処理していませんでしたから)。ですので、掛軸の柱の仕上がり予定寸法を思い出す必要があります

10_2 ←掛軸の各部分の仕上がり予定寸法
1寸 = 約3.03 cm、1分 = 約3.03 mm、1厘 = 約0.30 mm

写真から、柱の幅は2寸であることを思い出しましたそれでは、耳の作り方を紹介しますあっ、耳の幅(太さ)は1分が良いとされているので、私も耳の幅(太さ)を1分にしました。

耳を作る手順(耳を作ることを『耳折り』といいます。)
①.掛軸を裏向きにして作業台に寝かせます。
②.表から見た柱の幅が2寸になるように、千枚通し(たこ焼きをクルクルする道具)で擦ってカタを付けます。
③.②で作った2寸のカタのさらに1分外を切り落とします(この1分が耳になります)。
④.糊がはみ出ないように③で作った1分のライン上に糊をつけて、②で作った千枚通しのカタに沿って折り返してしっかりとくっつけます。
⑤.完成です

3 ←耳折り完了

耳折りをしているところの写真がなかったので、今回はいつもよりもイメージを膨らませて想像してみてください

今回で耳折が完了しました次は総裏という裏打ち(三回目の裏打ち)に突入するのですが、その前にいろいろと準備がありますということで、次回は総裏の準備を紹介しますお楽しみに

『2010年表展作品のメイキング⑲(覚ver.)』へ続く

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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