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2011年4月 1日 (金)

近所の桜の様子③/水刷毛(みずばけ)

こんにちは玉木覚です

さて、桜の観察日記第三回目です今日は先日よりもたくさん桜が咲いていましたよ二分咲きといったところでしょうか

11 ←低い枝は結構咲いています。

12 ←綺麗に咲いています。

13 ←全体的にはまだつぼみが多いです。

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さて、表具作業で使う道具の紹介ということで、今回は『水刷毛(みずばけ)』を紹介します。こちらが『水刷毛』です

2 ←水刷毛

3 ←毛先

水刷毛は、対象物に水を与えるための道具です。これじゃあそのまんまですね少しまどろっこしい表現をすると、水刷毛は毛の部分に適量の水を含ませた状態で紙や布を撫でることによって、紙や布に水分を与えることが出来ます。水刷毛は水を含んでくれないと困るので、水刷毛に使われる毛は水を含みやすい性質を持っている素材が使われます。鹿の毛は中空(ストロー状)になっており、他の素材と比較して水分を含む量が多いので、水刷毛に使われることが多いです写真の水刷毛は鹿の毛を使っています。

では、水刷毛を使っているところを紹介します

まずは水刷毛に水を含ませます。

5 ←水刷毛を水を含ませています。

今回は、茶色の紙と白い紙の二つに水分を与えます。まずは茶色い紙からいきましょう。

4 ←水分を与える前

6 ←水刷毛で水分を与えた後

写真から紙に均一に水分が行き渡っていることがわかるでしょうか?そして、紙のシワが無くなっていますね。刷毛で撫でながら水分を与えるので、紙のシワがうまくのびてくれます。(水分を与えた後のプツプツは気泡です。問題ありません。)

次は白い紙です。この白い紙は先ほどの茶色い紙よりも厚みがあります。

7 ←水分を与える前

厚みがある分、紙に付いているシワは茶色い紙のときよりも頑固です。(画用紙を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。画用紙のシワは取れにくいですよね。)

では、水刷毛で水分を与えましょう

8 ←水刷毛で水分を与えているところ

9 ←水刷毛で水分を与えた後

紙に水が均一に行き渡っている様子がわかるでしょうか。くしゃくしゃだったシワもきれいにのびていますね。

また、水刷毛はピンポイントに必要量だけ水分を与えたい場合にも使います。例えば、紙に部分的にシミが付いていた場合、その付近に水刷毛で水分を与えてシミを目立たなくさせるときに使います。

10 ←部分的に水分を与えることも可能

では、紹介した水刷毛の効果を整理してみます
①紙や布(それ以外にも)に水分を与えることが出来る。
②水分を与えると同時にシワをのばすことができる。
③ピンポイントに必要量だけの水分を与えることが出来る。

効果を見ていると「噴霧器(スプレー)と水刷毛の差は何なの???」と疑問に思われるかもしれません。噴霧器(スプレー)と水刷毛の最も大きな差は『撫でるか撫でないか』です。水刷毛は刷毛なので、水分を与えるときにどうしても『撫でる』という操作が要ります。しかし、噴霧器(スプレー)は水分を与えるときに『撫でる』必要がありません。

つまり、噴霧器を使って水刷毛と同様なことをする場合、「噴霧して紙に水分を与える→刷毛(シュロ刷毛など)で紙をのばす」といった作業になります。そう考えると「水刷毛のほうが手間要らずじゃないか」と思うかもしれません。しかし、噴霧器と水刷毛の使い分けはケースバイケースです。もし、墨で文字や絵を書いている部分に水分を与えたい場合、水刷毛を使うと墨がある部分(文字や絵)を撫でなければならないので、滲みなど作品を傷める原因になります。

「噴霧器が無かった時代は、どうやって墨がある部分に水分を与えていたのか?」という疑問が生じると思いますが、話が長くなりますので別の記事で紹介します

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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