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2011年6月27日 (月)

掛軸の真行草

こんばんは玉木覚です

昨日の記事で、掛軸にはいろいろな種類があることを簡単にですがお話しました。今日はその中で出てきた『真(しん)』、『行(ぎょう)』、『草(そう)』についてこれまた簡単にですがお話をします(『真』、『行』、『草』について詳しく書くと、膨大な量になりますので今は割愛いたします。また別の機会にちょっとずつ掘り下げてお話をします。)

掛軸は大きく分けて次の三つに分類されるといわれています

①(広義の意味の)大和仕立

②文人仕立

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

これらの3つの中でも『①(広義の意味の)大和仕立』にスポットを当ててみます。それは、『①(広義の意味の)大和仕立』は『真』、『行』、『草』のそのものになるからです。

「えっ、そんなコムズカシイことよりもさっさと掛軸を見たいなぁ」と思った読者様はちょっと待って下さい。『真』、『行』、『草』を知っていることは、掛軸をカテゴリごとに見分ける手助けになりますよ。掛軸をカテゴリごとに見分けることができるとどういうメリットがあるのかと申しますと、その掛軸の本紙(作品)の格を推し量ることが出来て、掛軸の鑑賞の幅が広がるように思います。実際に私は掛軸のカテゴリを勉強してから、掛軸の鑑賞の仕方が変わったように思います。『真』、『行』、『草』の分類方法自体は難しくないですし、知っていて損は無いと思いますよ

では本題に戻りまして・・・。

掛軸の名称で耳にすることの多い「仏表具」、「大和表具」、「茶掛」といった言葉は、『真』、『行』、『草』に細かく分類される掛軸を大きくまとめた表現になります。

例えば、「仏表具」は『真』の仕立になりますが、その中には更に『真』、『行』、『草』が存在します。つまり、仏表具には『真の真』、『真の行』、『真の草』の三つの形式が存在します。逆の表現をすると、『真の真』、『真の行』、『真の草』の三つをひっくるめて仏表具と呼んでいます。

1_2 ←「仏表具」(この仏表具は『真の真』)

この『真』、『行』、『草』の分類で行きますと、『真』の仕立が「仏表具」と呼ばれているのと同様に、『行』の仕立は「狭義の大和仕立」もしくは「大和表具」と呼ばれています。そして、『行』の仕立の中にはこれまた『真』、『行』、『草』の三つの形式が存在します。

3_2 ←「狭義の大和仕立」もしくは「大和表具」(この掛軸は『行の行』)

同様に『真』、『行』、『草』の分類で行きますと、「茶掛」は『草』の仕立になりまして、その中には『行』と『草』の二つの形式が存在します。

7 ←「茶掛」(この茶掛けは『草の行』)

ということで、話をまとめますと次のようになります

●「仏表具」は『真』の仕立になります。そして、『真』の仕立の中に『真』、『行』、『草』の三種類が存在します。つまり、『真』の仕立(仏表具)の中には『真の真』、『真の行』、『真の草』の三つの種類があります。

●「狭義の大和仕立」もしくは「大和表具」は『行』の仕立になります。そして、『行』の仕立の中には『真』、『行』、『草』の三種類が存在します。つまり、『行』の仕立(「狭義の大和仕立」もしくは「大和表具」)には『行の真』、『行の行』、『行の草』の三つの種類があります。

●「茶掛」は『草』の仕立になります。そして、『草』の仕立の中に『行』、『草』の二種類が存在します。つまり、『草』の仕立(「茶掛」)には『草の行』、『草の草』の二つの種類があります。

このように掛軸を分類してみると、掛軸というモヤモヤとひとくくりにされていたものが、なんとなくですがスッキリと分類できるように思いませんか?

次からは「仏表具」と呼ばれている『真』の仕立についてお話をします。お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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