« 第61回西宮市展 | トップページ | 第9回 滴仙会書法展 »

2011年7月 7日 (木)

『行』の仕立(掛軸)

こんばんは玉木覚です

今日は七夕ですねこのあいだ年が明けたと思ったら、もう七月です。この調子で今年も一年が足早に過ぎていきそうです

本日二つ目のブログ記事です。ここ数日は展覧会のご案内ばかりなので、今日はダブルヘッダーで記事を書いてみました

さて、本日二つ目の記事は「掛軸の『行(ぎょう)』の仕立について」です

以前のブログ記事で、『(広義の意味の)大和仕立』の掛軸には、『真(しん)』、『行(ぎょう)』、『草(そう)』という三つの分類が存在して、【『真』の仕立は「仏表具」】、【『行』の仕立は「大和表具」】、【『草』の仕立は「茶掛」】に相当することを紹介しました。(詳しくは「2011年6月27日 (月)の『掛軸の真行草』」、「2011年6月28日 (火)の『真の三体』」をご覧ください。)

*:『草』の仕立は「茶掛」に相当する、と書きましたが、厳密には茶掛は茶の湯にふさわしい掛物の総称です。一般的には【『草』の仕立=「茶掛」】と考えてなんら差し支えありません。

では、『行』仕立の掛軸のお話に行きましょう。『行』仕立の掛軸は「大和表具」とも呼ばれています。しかし、いきなり「大和表具」といわれてもいまいちピンときませんよね。まずは『行』仕立の掛軸(「大和表具」)を写真で見てみましょう

3_2 ←『行』仕立の掛軸(「大和表具」)の例、その1

2_2 ←『行』仕立の掛軸(「大和表具」)の例、その2

5_2 ←『行』仕立の掛軸(「大和表具」)の例、その3

写真を見たら、「あ~、この掛軸か」と思った方も多いことと思います。

『行』の仕立は、「大和表具」の別名があるように、純日本式の様式としてもっとも広く用いられています。また、『行』の仕立は、「幢補(どうほ)仕立」とも呼ばれています。「幢」とは幢幅からおこった名称と言われ、この幢幅は広い座敷にかける掛物のことを意味します。(ちなみに、「幢」は旗鉾のことです。)

上記のことをまとめますと、「『行』の仕立」=「大和表具」=「幢補(どうほ)仕立」となります。ちょっと脇道にそれますが、「幢補仕立は、「太柱(ふとばしら)」と呼ばれることもあります。これは、『行』仕立(「幢補仕立」)の中廻の柱の幅が、のちのちに紹介する「輪補(りんぽ)仕立(『草』仕立、つまり『茶掛』のこと)」の中廻の柱の幅よりも太いことに由来しているといわれています。

『行』仕立には、『行の真』、『行の行』、『行の草』の三つの様式が存在します。この三つの見た目の違いを言いますと、『行の真』は一文字廻、『行の行』は上下の一文字、『行の草』は一文字なし、となります。模式図で見てみましょう。

6 ←『行の真』仕立、一文字廻がついています。

7 ←『行の行』仕立、一文字(上と下)がついています。

8 ←『行の草』仕立、一文字がついていません。

(参考までによろしければこちらの図説もご覧ください。⇒「『行の行』の図説」

模式図中で薄紫色に塗った部分は『上下』と書いていますが、『天地』とも呼ばれます。

次回からは『行の真』、『行の行』、『行の草』をひとつひとつ紹介していきます。お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

« 第61回西宮市展 | トップページ | 第9回 滴仙会書法展 »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『行』の仕立(掛軸):

« 第61回西宮市展 | トップページ | 第9回 滴仙会書法展 »