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2011年7月27日 (水)

太(ふと)明朝仕立

こんばんは玉木覚です

今日は『明朝仕立』のバリエーションのひとつである、『太(ふと)明朝仕立』を紹介します。

しかし、ここ最近は話がかなりマニアックになってきたので、本題に行く前に『明朝仕立』についてさらっとおさらいをしてみます

<少しだけおさらい>

『明朝仕立』とは掛軸の両端へ八双から軸木まで、細い竪縁(たてぶち)をつけた様式を指します。『明朝仕立』は『文人仕立』の補助様式として、①『丸表具(袋表具、袋仕立)』、②『二段文人仕立』、③『唐表具(とうひょうぐ)』のいずれにも用いることが出来ます。

6 ←『明朝仕立』の一例(模式図)

上の模式図の黄色い部分が『明朝』になります。また、この図では、『丸表具(袋表具、袋仕立)』に『明朝』(黄色い部分)をつけて『明朝仕立』としています。

ここまでですでにややこしいですね。話が大分昔の記事の内容に戻ってしまいますが、掛軸の分類(様式)を見てみましょう。掛軸は大きく分けて次の三種類に分類されるといわれています。(参考までにこちらの記事もご覧ください⇒「2011年6月26日 (日) この掛軸の形式は」「2011年6月27日 (月) 掛軸の真行草」

【掛軸の大まかな分類(三種類)】

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立、『行』仕立、『草仕立』のこと。

②文人仕立 ⇒ 『丸表具(袋表具、袋仕立)』、『二段文人仕立』、『唐表具(とうひょうぐ)』のこと。

③デザイン表具(創作表具、造形表具) ⇒ 後日、紹介します。

ここ数回の記事は、これらの三種類の中の『②文人仕立』にスポットを当ています。

ここで少しややこしいのですが、『文人仕立』は次の三種類に分けられます。

【『文人仕立』の三種類】

1.丸表具(袋表具、袋仕立)

2.二段文人仕立

3.唐表具(とうひょうぐ)

各様式の一例を模式図で確認しておきます。(詳しくは各記事をご覧ください。⇒「2011年7月19日 (火) 文人仕立」「2011年7月20日 (水) 丸表具(袋表具、袋仕立)」「2011年7月24日 (日) 二段文人仕立」「2011年7月25日 (月) 唐表具(とうひょうぐ)」

14_2 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』の一例(模式図)

2_2  ←『二段文人仕立』の一例(模式図)

1 ←『唐(とう)表具』の一例(模式図)

この記事の一番最初の『明朝仕立』と『丸表具(袋表具、袋仕立)』を見比べてみてください。この記事の一番最初の『明朝仕立』は、『文人仕立』である『丸表具(袋表具、袋仕立)』に『明朝』を付けたものであることが分かりますでしょうか。話が少しややこしくなってきましたが、簡単に書きますと、「『明朝仕立』は三種類ある『文人仕立』の補助様式(バリエーション)である」、と言うことです。つまり、『明朝仕立』は『文人仕立』の三種類(『丸表具(袋表具、袋仕立)』、『二段文人仕立』、『唐表具』)に『明朝』を付けたものです。

前回までの記事のおさらいはこのあたりまでにしまして、本題に行きましょう。

前回の記事では『明朝仕立』として、この記事の一番始めに載せた様式を紹介しました。しかし、『明朝仕立』には次のようなバリエーションも存在します。

【『明朝仕立』のバリエーション】

『太(ふと)明朝仕立』、『筋割(すじわり)明朝仕立』、『上下(じょうげ)明朝仕立』

今日はこの中の『太(ふと)明朝仕立』を紹介します。

『太(ふと)明朝仕立』は左右の『柱』が『上下』を貫き通したものをいいます。この様式は、作品が広幅物で、並幅の布では布の幅が足りないときに用いられることが多いです。

1_2 ←『太(ふと)明朝仕立』の一例(模式図)

『太(ふと)明朝仕立』で『上下』と左右の『柱』を同色同布にする場合には、一般にその間に『筋』を入れます。また、違える場合でもひとつのデザインとして『筋』は入れることがあります。なお、『太明朝』の『柱』へさらに細い『明朝』を付けることもありますが、この場合はわずらわしくなる事を避けて、『太明朝』の『上下』と『柱』の間に『筋』を入れないことが多いです。

ところで、細物をこの様式で仕立てたものは、特に『聯(れん)仕立』と呼びます。これへは作品の周りに『筋』を入れ、通常は『一文字』を省きます。なお、この名称の由来は、中国で対聯(ついれん)作品の仕立に多用されたことからといわれています。

2_2_2 ←『太(ふと)明朝仕立』(『聯(れん)仕立』)の一例(模式図)

では、最後に『太(ふと)明朝仕立』(『聯(れん)仕立』)の例を紹介します。

3_2 ←『太(ふと)明朝仕立』(『聯(れん)仕立』)の掛軸の例

この二つの掛軸は聯仕立ですので、二つでワンセットになります。(作品の少し上部分と少し下部分に、横方向に『筋』が入っていますが、これはバリエーションです。)

次回は、『筋割(すじわり)明朝仕立』を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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