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2011年7月26日 (火)

明朝仕立

こんばんは玉木覚です

今日からは『明朝仕立』について数回に分けてお話をいたします。一口に『明朝仕立』といっても、いくつかバリエーションがあります。このあたりのことはその都度話題にするとしますね

では、『明朝仕立』のお話に行きましょう

『明朝仕立』とは掛軸の両端へ八双から軸木まで、細い竪縁(たてぶち)をつけた様式を指します。『明朝仕立』は『文人仕立』の補助様式として、これまでに紹介しました三つの様式のいずれにも用いることが出来ます。

<『文人仕立』の三つの様式>

①『丸表具(袋表具、袋仕立)』
②『二段文人仕立』
③『唐表具(とうひょうぐ)』

では、『明朝仕立』の模式図を見てみましょう

6_3 ←『明朝仕立』の模式図

模式図中の黄色い部分が「掛軸の両端の八双から軸木まで付けた細い竪縁(たてぶち)」を示しています。つまり、この黄色い部分が『明朝』になります。この模式図の掛軸は、以前に紹介しました『文人仕立』の様式のひとつである『丸表具(袋表具、袋仕立)』が元になっています。

5 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』の模式図

これら二つの掛軸の違いは、黄色い部分(『明朝』)が付いているか付いていないかです。つまり、『丸表具(袋表具、袋仕立)』に『明朝』をプラスしますと、『明朝仕立』の掛軸になります。もうちょっと言葉を足しますと、『文人仕立』という様式の『丸表具(袋表具、袋仕立)』という様式(掛軸)を元にして、ここに『明朝』を補助的に使ったということです。(これが『明朝仕立』が『文人仕立』の補助様式であることの所以です。)

では、『明朝仕立』の掛軸を見てみましょう

2_2 ←『明朝仕立』の掛軸の例 1 ←拡大

この掛軸は『丸表具(袋表具、袋仕立)』という様式を元にして、『明朝』(白い部分)をつけています。つまり、『丸表具(袋表具、袋仕立)』をベースにした『明朝仕立』の掛軸になります。

参考までに、『丸表具(袋表具、袋仕立)』もご覧ください。この掛軸には『明朝』が付いていません。

4 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』の掛軸の例 3 ←拡大

ところで、『明朝』の効果は、他の室内装飾との見切り線をはっきりと表す、つまり掛軸と壁を明瞭に区切ることが出来ることです。『明朝』は中国(明)で生まれて流行したといわれていますが、中国には床の間が無いので、この点が流行した理由かもしれません。

さて、『明朝』のバリエーションは、『筋』と『明朝』を同じ表具地にする、『筋』と『明朝』を異なる色の表具地にする、『明朝』で『二段文人仕立』の『中廻』を取り囲む、などがあります。

他のバリエーションとしては、『太(ふと)明朝仕立』、『筋割(すじわり)明朝仕立』、『上下(じょうげ)明朝仕立』があります。

次回からは、『太(ふと)明朝仕立』、『筋割(すじわり)明朝仕立』、『上下(じょうげ)明朝仕立』を順に紹介していきます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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