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2011年8月12日 (金)

掛軸の様式のまとめ2 【文人仕立】

こんばんは玉木覚です

掛軸の様式のまとめの第二回目です。このまとめでは掛軸の様式をカテゴリごとに分けていきます

このまとめでは極力文章を減らして、目で見て分かるようにしていきたいと思います。本文中の青文字の部分は、過去にこのブログで紹介した各詳細記事へのリンクとなっていますので、良かったらご覧ください。

また、本文の最後に掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったら見てみてくださいね。

掛軸は大きく分けて次の三つ(四つ)に分類されるといわれています。④は特殊な様式ですので、あえて括弧を付けました。

<掛軸のおおまかな分類>

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立(仏表具)『行』仕立(大和表具)『草』仕立(茶掛)

②文人仕立 ⇒ 『丸表具(袋表具、袋仕立)』『二段文人仕立』『唐表具』

【*:『文人仕立』の補助様式として、『明朝仕立』があります。また、『明朝仕立』のバリエーションとして『太明朝仕立』『筋割明朝仕立』『上下明朝仕立』があります。】

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

(④その他の様式(絵伝表具))

今日は特に『②文人仕立』にスポットを当ててみます。『文人仕立』の補助様式は、紙面の関係で次回まとめます。細かいお話はリンク先の各項目に譲るとしまして、ここでは『文人仕立』の三つの様式(『丸表具(袋表具、袋仕立)』、『二段文人仕立』、『唐表具』)の見た目の特徴と掛軸の写真を見比べてみましょう。

『丸表具(袋表具、袋仕立)』

『丸表具(袋表具、袋仕立)』には、『一文字』のあるものやないもの、『一文字廻』のあるものや『筋』を付けないもの、またこれらをミックスしたものなど多様なバリエーションが存在します。写真だけでは違いが分かりにくいかもしれませんので、模式図を載せておきますね。

【見た目の特徴】・・・『丸表具(袋表具、袋仕立)』は、『真』仕立の『中廻』と『風帯』が無い形にそっくりです(『真』仕立へ)。

2_3 ←『真の行』の例 (模式図)

では、『丸表具(袋表具、袋仕立)』の掛軸を見てみましょう。

1 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字付、筋無) 2_2_2  

←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字付、筋無)【拡大】

7 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字付、筋有) 8

←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字付、筋有)【拡大】

9 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字廻付、筋無) 10 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字廻付、筋無)【拡大】

13 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字無、筋有)の模式図 14 ←『丸表具(袋表具、袋仕立)』(一文字有、筋有)の模式図

『二段文人仕立』

通常、『二段文人仕立』は横物の作品を文人仕立にするときに使われます。

【見た目の特徴】・・・『二段文人仕立』は、『行』仕立から『風帯』と『一文字』を取り払った形とよく似ています(『行』仕立へ)。『二段文人仕立』との比較の例として、『行』仕立のうち、『行の行』仕立と『行の草』仕立(『風帯』と『一文字』が無いバージョン)を載せておきます。

1_3 ←『行の行』の例 (模式図)

3 ←『行の草』の例(『風帯』と『一文字』が無いバージョン) (模式図)

『二段文人仕立』の写真をお見せしたいのですが、まだ掛軸が見つかりません。すみませんが模式図でどんな見た目なのかをご確認ください。

2 ←『二段文人仕立』の例 (模式図)

『唐表具』

『唐表具(とうひょうぐ)』の用途は、唐様作品で軽みがあり従来の文人仕立では満足がゆかないときの、しかも半切1/2など丈の短い作品を『二段文人仕立』にしたい場合、あるいは『二段文人仕立』を採用するとき作品の着色が著しいなどといった理由で『中廻』と『上下』の布を変えたくない場合などに用いられることが多いです。他には、『行』仕立を崩したくないときの前衛書作品などにも好適な場合があります。

【見た目の特徴】・・・『唐表具(とうひょうぐ)』とは、『上下』・(『一文字』)・『中廻』を同じ布にして、その境へ『筋』を入れたものをいいます。緑色の部分が表具布で、オレンジ色の部分が『筋』です。たくさんの『筋』が入っていますね。このように『筋』を多用することから「細金(ほそかね)表具」とも呼ばれます。

1_2 ←『唐表具(細金表具)』の例 (模式図)

最後に、掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったらご覧ください。(青文字をクリックしたらリンクページをご覧になれます。)

風帯

1 ←風帯(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

一文字

1_7 ←一文字(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

中廻(中縁)

6 ←中廻(中縁)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

上下(天地)

8 ←上下(天地)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

次回は『文人仕立』の補助様式をまとめてみます

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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