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2011年8月15日 (月)

掛軸の様式のまとめ3 【明朝仕立とそのバリエーション】

こんばんは玉木覚です

掛軸の様式のまとめの第三回目です。このまとめでは掛軸の様式をカテゴリごとに分けていきます

一回目、二回目と同様に、細かいお話は各項目に譲りまして、このまとめでは絵や写真を中心にして見た目の違いを確認していきたいと思います。各項目のお話は、本文中の青文字をクリックしてリンク先のブログ記事をご覧ください。

また、本文の最後に掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったら見てみてくださいね。

掛軸は大きく分けて次の三つ(四つ)に分類されるといわれています。(④は特殊な様式ですので、あえて括弧を付けました。)

<掛軸のおおまかな分類>

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立(仏表具)『行』仕立(大和表具)『草』仕立(茶掛)

②文人仕立 ⇒ 『丸表具(袋表具、袋仕立)』『二段文人仕立』『唐表具』

【*:『文人仕立』の補助様式として、『明朝仕立』があります。また、『明朝仕立』のバリエーションとして『太明朝仕立』『筋割明朝仕立』『上下明朝仕立』があります。】

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

(④その他の様式(絵伝表具))

前回までの記事では、この中の『①(広義の)大和仕立』と『②文人仕立』を紹介しました。今回は『②文人仕立』の補助様式である『明朝仕立』とそのバリエーションである『太明朝仕立』、『筋割明朝仕立』、『上下明朝仕立』の見た目を見比べてみましょう。補助様式については『明朝仕立』の記事の中で触れているので、よかったらご覧ください。

『明朝仕立』

【見た目の特徴】・・・『明朝仕立』とは掛軸の両端へ八双から軸木まで、細い竪縁(たてぶち)をつけた様式を指します。

模式図中の黄色い部分が「掛軸の両端の八双から軸木まで付けた細い竪縁(たてぶち)」を示しており、この黄色い部分が『明朝』になります。(この模式図の掛軸は、『文人仕立』の様式のひとつである『丸表具(袋表具、袋仕立)』が元になっています。)

6 ←『明朝仕立』の例 (模式図) 2 ←『明朝仕立』の例 1 ←拡大(白い線が明朝)

『太明朝仕立』

【見た目の特徴】・・・『太(ふと)明朝仕立』は左右の『柱』が『上下』を貫き通したものをいいます。

この様式は、作品が広幅物で、並幅の布では布の幅が足りないときに用いられることが多いです。

1_2_2 ←『太明朝仕立』の例 (模式図)

ところで、細物をこの様式で仕立てたものは、特に『聯(れん)仕立』と呼びます。これへは作品の周りに『筋』を入れ、通常は『一文字』を省きます。なお、この名称の由来は、中国で対聯(ついれん)作品の仕立に多用されたことからといわれています。

2_2 ←『太明朝仕立(聯仕立)』の例 (模式図) 3 ←『太明朝仕立(聯仕立)』の例 (作品の少し上部分と少し下部分に、横方向に『筋』が入っていますが、これはバリエーションです。)

『筋割明朝仕立』

【見た目の特徴】・・・『筋割(すじわり)明朝仕立』は、『明朝』の表具地には『総地廻』と同じ表具地を使い、境に白い画仙紙などで『筋』を入れて『明朝』を表現した形式をいいます。

1_3 ←『筋割明朝仕立』の例 (模式図) 2_3 ←拡大

『上下明朝仕立』

【見た目の特徴】・・・『上下(じょうげ)明朝仕立』は、『二段文人仕立』の形で『上下』の表具布と同じものを『柱』部分の『明朝』に用いたものをいいます。

一般には、『二段文人仕立』へそのまま『明朝』を付けることは、ややくどくなることから行わない場合が多いので、『二段文人仕立』に『明朝』が欲しいときには、この様式にすることが多いです。

1_4 ←『上下明朝仕立』の例 (模式図)

最後に、いつものように掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったらご覧ください。(青文字をクリックしたらリンクページをご覧になれます。)

風帯

1 ←風帯(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

一文字

1_7 ←一文字(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

中廻(中縁)

6 ←中廻(中縁)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

上下(天地)

8 ←上下(天地)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

次回は『デザイン表具』をまとめてみます

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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