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2011年8月 9日 (火)

掛軸の様式のまとめ1 【(広義の)大和仕立】

こんばんは玉木覚です

このブログで掛軸の様式について一ヶ月にわたって紹介してきました。分かりにくい部分も多々あったかと思いますが、読者様に「掛軸ってこんな種類があるんだ~!」といった感じで楽しんでいただけたなら幸いです

ところで、掛軸の様式のまとめらしいことをほとんどやってこなかったので、ここらへんで整理をしてみたいと思います。まとめといっても量が多いので、掛軸の様式をカテゴリごとに分けて、数回にわたって整理していきます

このまとめでは極力文章を減らして、目で見て分かるようにしていきたいと思います。本文中の青文字の部分は、過去にこのブログで紹介した各詳細記事へのリンクとなっています。良かったら見てみてください。

また、本文の最後に掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったら見てみてくださいね。

では、本題に行きます

掛軸は大きく分けて次の三つ(四つ)に分類されるといわれています。④は特殊な様式ですので、あえて括弧を付けました。

<掛軸のおおまかな分類>

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立(仏表具)『行』仕立(大和表具)『草』仕立(茶掛)

②文人仕立 ⇒ 丸表具(袋表具、袋仕立)二段文人仕立唐表具

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

(④その他の様式(絵伝表具))

今日は特に『①(広義の)大和仕立』にスポットを当ててみます。

『(広義の)大和仕立』は、『真』仕立、『行』仕立、『草』仕立の三つに分けられます。そしてこの三つの仕立には次のように細かい分類(様式)が存在します。

<『真』仕立、『行』仕立、『草』仕立の更なる分類>

『真』仕立(仏表具) ⇒ 『真の真』仕立『真の行』仕立『真の草』仕立

『行』仕立(大和表具) ⇒ 『行の真』仕立『行の行』仕立『行の草』仕立

『草』仕立(茶掛) ⇒ 『草の行』仕立『草の草』仕立

細かいお話はリンク先の各項目に譲るとしまして、ここでは各様式の見た目の特徴と掛軸の写真を見比べてみましょう。

『真』仕立(仏表具)

一般的には、、『真の真』が最も格上、その次に『真の行』が来て一番下は『真の草』といわれています(ただし、宗派によってはこの限りではありません。)。

【見た目の特徴】・・・『真の真』、『真の行』、『真の草』を見た目でいえば、一文字の部分が一文字廻(『真の真』)⇒一文字(『真の行』)⇒一文字なし(『真の草』)となっています。

1_3 ←『真の真』(一文字廻) 3 ←『真の真』

1_4_2 ←『真の行』(一文字)

4 ←『真の草』(一文字なし) 5 ←『真の草』

『行』仕立(大和表具)

一般的には、『行の真』が最も格が高く、『行の行』が二番目に格が高く、『行の草』が最も格が低いとされています。

【見た目の特徴】・・・『行の真』は一文字廻、『行の行』は上下の一文字、『行の草』は一文字なし、となります。

2 ←『行の真』(一文字廻) 1_5 ←『行の真』

2_2 ←『行の行』(一文字) 1_6 ←『行の行』

8_2 ←『行の草』(一文字なし) *:写真が無いので模式図ですみません。

『草』仕立(茶掛)

現在では、『草の行』の方が『草の草』よりも格上とされています。

【見た目の特徴】・・・多くの場合は、『草の行』は『風帯』が『垂風帯(さげふうたい)』、『草の草』は『風帯』が『押風帯(おしふうたい)』。また、『草の行』は『一文字』、『中廻』、『上下』に布を使った掛軸なのに対して、『草の草』仕立は『一文字』と『中廻』は布を使いますが『上下』には紙を使った掛軸が多いです。

7 ←『草の行』(『風帯』が『垂風帯』)

3_2 ←『草の草』(『風帯』が『押風帯』) 6_2 ←『草の草』

最後に、掛軸の部材を紹介した記事へのリンクを貼っておきますので、こちらも良かったらご覧ください。(青文字をクリックしたらリンクページをご覧になれます。)

風帯

1 ←風帯(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

一文字

1_7 ←一文字(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

中廻(中縁)

6 ←中廻(中縁)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

上下(天地)

8 ←上下(天地)(モデル掛軸は『草の行』(茶掛))

次回は『文人仕立』のまとめてみます

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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