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2011年8月 2日 (火)

デザイン表具(創作表具、造形表具)

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸の種類のひとつである『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の紹介をいたします

その前に、掛軸の大まかな種類を見ておきましょう。掛軸は大まかにいうと次の三種類(①、②、③)に分けられます。(この三種類に含まれないものもあります。これは「④その他の様式」として、後日、紹介します。)

掛軸の大きな分類

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立(仏表具)・『行』仕立(大和表具)・『草』仕立(茶掛)

②文人仕立 ⇒ 丸表具・二段文人仕立・唐表具 補助様式として『明朝仕立』とそのバリエーション

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

【④その他の様式(絵伝表具のことです。絵伝表具は特殊なものですので、今まではあえて記載しませんでした。どんなものかは後日紹介します。)】

『デザイン表具(創作表具、造形表具)』は、①、②、④のどの形式にも当てはまらない作品に対して施すもの、もしくはどの様式でもない自由な形式を指していうものです。(ちょっと誤解を生みそうな表現ですので念のために書かせていただきますが、必ずそうしなければならないということではなく、そうした方がよりよい掛軸に仕上がるということです。しかし、①、②、④(特に①、②)に含まれる作品でも、デザイン表具にすることによって斬新さなどの従来の様式には無い効果を出すことができます。このあたりのお話は難しいナイーブなことですので、また別枠でお話いたします。)

デザイン表具(創作表具、造形表具)は、上述の通りに自由な形式ですので、いつものように模式図を示すことはあえていたしません。その代わりといってはなんですが、掛軸の写真をいつもよりも多めに載せておきますので、「こんな感じなのか~!」といった風に雰囲気を感じて下されば幸いです。いろいろなタイプのものがありますので、「今回載せたものはあくまでも一例」といった感覚でご覧ください。

2_2 ←『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の一例、その1

3 ←『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の一例、その2

4 ←『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の一例、その3

8 ←『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の一例、その4

1 ←『デザイン表具(創作表具、造形表具)』の一例、その5

その5の掛軸は私が作って表展に出品させていただいたものです。この掛軸は『デザイン表具(創作表具、造形表具)』なのですが、『台表具(台張仕立、台張表具)』と呼ばれる補助様式を採用しています。この補助様式のことは後日紹介します。

最後にちょっと小難しい話になりますが、『デザイン表具(創作表具、造形表具)』だからといって、突拍子も無い形や色使いやデザインにすると、とんでもなく変な掛軸になりかねません。ここで考えなければならないのが、従来(上述の①、②、④(特に①と②))の様式をどの程度使うのかということです(様式を遵守することの必要性)。様式を遵守する目的は、装飾芸術のひとつの造形原理を踏まえるということだけではなく、作品(本紙)の鑑賞に資することにもあると考えられます。このあたりのお話も長くなるので別枠でいたします。

*装飾芸術:掛軸は「装飾芸術」と言われています。「装飾芸術」とは、「住宅空間や私達の身の回りを飾ることを目的に制作される造形芸術」のことです。具体的には、絨毯、壁掛け、シャンデリア、家具、置き物、などであり工芸的性質を持つものが少なくありません。つまり平たく書くと、掛軸は「装飾芸術」であり、部屋を飾るものです。ということは、掛軸は掛軸を飾る場所(部屋)の様式によって、その部屋にうまく調和するように作らなくてはなりません。

では、次回は「④その他の様式」を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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