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2011年8月18日 (木)

掛軸の様式のまとめ5 【『台表具』と『刳抜表具』】

こんばんは玉木覚です

掛軸の様式のまとめの第五回目です。

掛軸は大きく分けて次の三つ(四つ)に分類されるといわれています。(④は特殊な様式ですので、あえて括弧を付けました。)

細かいお話は各項目に譲ります。今までと同じように、各項目のお話は本文中の青文字をクリックしてリンク先のブログ記事をご覧ください。

<掛軸のおおまかな分類>

①(広義の)大和仕立 ⇒ 『真』仕立(仏表具)『行』仕立(大和表具)『草』仕立(茶掛)

②文人仕立 ⇒ 『丸表具(袋表具、袋仕立)』『二段文人仕立』『唐表具』

【*:『文人仕立』の補助様式として、『明朝仕立』があります。また、『明朝仕立』のバリエーションとして『太明朝仕立』『筋割明朝仕立』『上下明朝仕立』があります。】

③デザイン表具(創作表具、造形表具)

(④その他の様式(絵伝表具))

<補足>

【☆:『(広義の)大和仕立』『文人仕立』の補助様式として、『台表具』および『刳抜表具』があります。

【☆☆:現在ではあまり用いられることのなくなった様式として、『見切仕立』と『韃靼表具』があります。】

今日は<補足>の中の『台表具』と『刳抜表具』をまとめてみます。

『台表具』

台表具は、色紙・短冊・斗(と)形(正方形)・円形・洲浜(すはま)形・扇面(せんめん)形・団扇(うちわ)形などの作品を、作品よりも大きな紙(台紙)に押し*1、それを作品寸法として軸装することをいいます。

【見た目の特徴】・・・作品を作品よりも大きな紙(台紙)に押して、その大きな紙に押した状態を作品寸法としますので、元の作品よりも作品寸法が大きくなります。

*1:表具では小さい面積のものを大きい面積のものへ貼るときに「押す」と表現することがあります。

1 ←扇面の作品を『台表具』にしたときの例1 (模式図)(作品周辺の黄色い部分が台紙を表しています。また、この掛軸は『行の行』仕立を元にしています。)

2 ←『行の行』仕立の例 (模式図)

090920_223301 ←『台表具』の例2 (先の例1を実物化したらこのようになります。)

1_2 ←『台表具』の例3 (『デザイン表具』を元にした『台表具』)

『刳抜表具』

【見た目の特徴】・・・作品より大きい布地を使い作品部分だけ切り抜き、そこへ作品をあてがって軸装するものです。(模式図では長方形の作品になっていますが、実際は円形などの作品に多く用いられる補助様式だと思います。⇒後述の『台張円窓表具』へ)

1_3 ←『刳抜表具』の例 (模式図)

■『台張円窓表具』 (『台表具』と『刳抜表具』の組み合わせたもの)

色紙作品や斗方(とがた)作品【正方形の作品】は、古くから台張の『円窓(えんそう)表具』で仕立てられることも多くあったようです。『円窓表具』とは円形作品の『刳抜表具』であり、台張の『円窓表具』とは台紙を円形にしてこれへ色紙を押すものです。

この掛軸では、円形の台紙に四角い作品を押したものを”作品”としています。つまり、四角い作品が円形の台紙に押されたことによって、円形の”作品”になったとみなしています。

2_2 ←『台張円窓表具』の例 (模式図)(『台張円窓表具』は、『台表具』と『刳抜表具』を組み合わせたものです。)

次回は、最近はあまり使われなくなった『見切仕立』と『韃靼表具』をまとめてみます

おたのしみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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