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2011年9月10日 (土)

絵ものと一文字

こんばんは玉木覚です

今日は2011年7月16日の記事で『浮世絵や大津絵には「絵画作品には『一文字』を入れない」というかつての公式が働いている』と書きましたが、このことについて触れてみたいと思います。

本題に行く前に、浮世絵というのはどんなものなのかイメージが湧くと思いますが、大津絵はいまいちイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれませんので、写真で見ておきましょう

2 ←大津絵

:大津絵は滋賀県大津市で江戸時代初期から名産としてきた民族絵画のことです。画題にはいろんなものがあって、東海道を旅する旅人たちの間の土産物・護符として知られていたそうですよ。

「絵画作品には一文字を入れない」ということについてですが、話は昔に遡ります。

江戸時代初期の書物には「画物には一文字を入れない」という記述が見られます。日本での仏画表具の起源は6世紀と古いのですが、当時の常識では「画物=一文字無し」という考え方が一般的であったと考えられています。ちなみに、このことが『真の草』仕立が仏画に用いられる一因になったと推察されます。(『真の草』仕立には一文字が付いていません。)

また、実際には涅槃図(ねはんず)**のような作品では、一文字が作品の鑑賞に差し障ることもあるようです。

**:涅槃図(ねはんず)とは、釈迦が沙羅双樹の下で入滅(死)するときの様子を描いたものです。

このような理由から、絵ものには一文字を入れないことが多いのですね。浮世絵や大津絵にも、この考え方が引き継がれているようです。

これに加えて、浮世絵の場合は「艶」や「崩し」の表現が見られたり、品性が劣るとされる作品もありますので、『格落ち』という意味から一文字を付けないことが多いとされています。これは、江戸の町人の「いき(粋)」が反映された『行の草』仕立にみられます。

参考までに『真の草』仕立の掛軸を載せておきます(絵ものではなくてすみません)。一文字が付いていないということに注目してください。

(一文字が「???」な方は、こちらをご覧ください。⇒『一文字』

1 ←『真の草』仕立の掛軸の例 2_2_2←拡大(一文字が付いていません)

3_2_5 ←拡大(一文字が付いていません)

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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