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2011年9月17日 (土)

デザイン表具について<その4>

こんばんは玉木覚です

今日もデザイン表具のデザインに関するお話の続きです。具体的には、デザイン表具のデザインを決めるうえで、既存の様式を踏襲することの意味について前回の記事に引き続いて考えてみます。

前回の記事では「様式のことを知っていると作品のモチーフや格式が分からなくても、様式から作品のモチーフや格式を推し量ることが可能になる。」といったことを書きました。

今日は、掛軸の様式から推し量ることができるもうひとつの要素である「掛軸の用法」について考えてみます。

以前の記事で、『草』仕立について次のような注釈(以下の斜体部分)を入れたことがあります。(こちらの記事です。⇒『草』仕立(茶掛)

『草』仕立(輪補(りんぽ)仕立)は「茶掛」と書きましたが、厳密には茶掛は茶の湯にふさわしい掛物の総称です。ですが一般的には【『草』の仕立=「茶掛」】と考えてなんら差し支えありません。

しかし、今日では茶室の掛物は輪補(りんぽ)仕立であらねばならないといった認識が支配的である、ということが文献に載っています。このことから考えますと、漢詩書作品の輪補(りんぽ)仕立の掛軸は茶室に用いるものであるということを示すことができます。すなわち、様式を遵守することは掛軸自体の用途(用法)を明確にすることができると考えられます。

:茶掛の作品には墨跡や禅的内容を書いたものが多いです。

余談ですが、掛軸の表具地(布や紙)は半固定的なものであり、表具地を取り替えることは掛軸を作り直すことに相当する大変な作業になります(要するに掛軸の作り直しは容易ではないということです)。よって、最初に様式の選択を間違えたら掛軸自体の価値が下がることにもなりかねませんので、十分な配慮が必要になります。

ちなみに、額装ですと掛軸と比較して割と容易に表具地を取り替えることができます。(そうは言っても、決して簡単な作業ではありません。あくまでも掛軸のやり直しと比較した場合の話です。)

以上のことから、掛軸を作る際の様式の選定と遵守がいかに大切なことであるかお伝えすることできましたでしょうか

このことはデザイン表具のデザインを決める上で大きなヒントになりますよ~

次回は、デザイン表具のデザインと掛軸を掛ける場所の関係について考えてみます

お楽しみに~

7_2 ←『草の行』仕立の掛軸の例

3_3 ←『草の草』仕立の掛軸の例

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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