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2011年10月23日 (日)

表展作品のメイキング① <作品との対面>

こんばんは玉木覚です

今日からは『表展作品のメイキング』と題しまして、今年の表展(第四十回表装美術展)の青年技能者技能競技大会(通称:『青年競技大会』)に出品させていただいた私の掛軸のメイキングを紹介します。この記事をご覧になった読者様が、掛軸をより身近に感じていただけたなら幸いです。

掛軸の作り手の視点からひとつひとつの工程を紹介して、作品が掛軸になっていく様子を記します。写真を交えながら紹介していきますので、『掛軸ってこんな風にして作るのか~。』というようにお気軽にご覧ください。記事はなるべく間を空けないようにコンスタントに掲載していきますので、気を長くして掛軸の完成までお付き合いくださいませ

では、第一回目は「作品との対面」です。

掛軸を作るときには、まず作品と対面します。作品と対面してからどんな掛軸にしようかといろいろと考えます。ちなみに青年競技大会の作品は封筒に入って配布されるのですが、封を切って中身を取り出すまでどんな作品が入っているのかわかりません。

こちらが今回の作品です

1 ←作品との対面

文人画(南画)*1と思われる作品です。全体的に淡い色使いで風景を描いており、素朴な印象を受けました。

*1:文人画(ぶんじんが)と南画(なんが)について。

日本の文人画を南画(なんが)といいます。これは中国の南宗画に由来します。ちなみに、文人画とは知識人が書いた絵画ということです。文人画の文人とは、知識人のことです。もう少し言葉を足しますと、文人画は文人(知識人)が余技的に描いた絵画のことでして、職業画家との区別をするために明末の「董其昌(とうきしょう)」が使用し始めた言葉といわれています。明末ということから、文人画は中国の文化であることが分かります。(「文人(知識人)」とは当時の中国人のことです)

拡大してみてみましょう。

2

3

4

5 ←賛(と思われる)*2と落款*3

*2:賛(さん)とは画を題したり画に添える詩や歌のことです。讃と書くこともあります。

*3:落款(らっかん)とは書画の完成後、作者が作品内に署名して押印したものです。

さて、この作品をどんな掛軸に仕立てようかと考えた結果、『文人仕立』にすることにしました。掛軸の様式の決定については、次回で詳しく紹介します

お楽しみに~

(『文人仕立』が「???」という方はこちらの記事をご覧ください。⇒『2011年7月19日 (火) 文人仕立』

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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