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2011年10月21日 (金)

掛軸の身近なお話⑦

こんばんは玉木覚です

さて、ちょっと間が空いてしまいましたが、今日は掛軸の下ろし方を紹介します

掛けている掛軸を下ろすときの注意点ですが、これは掛軸を掛けるときに注意することと同じです。掛軸を汚損や破損させることの無いようにしましょう。

掛軸を掛けるときにも使いましたが、掛軸を下ろすときにも『矢筈』を使います。忘れないように準備しましょう。

では、写真を交えながら見てみます

<掛けている掛軸の下ろし方の例>

①.今からこの掛軸をおろします。

1  ←①

②.まずは矢筈を利き手の届く範囲内で壁に立てかけておきます(矢筈が無いと掛緒を自在から外すときに困ります)。矢筈を準備したら、掛軸の軸先を手で持って掛軸を巻いていきます。

2  ←②

③.掛軸を落とさないようにくるくると巻き上げていきます。

3_2  ←③

④.掛軸を一文字の上まで巻き上げたら、ここでいったん巻き上げる作業をやめます。一文字は見えても作品本体は見えないようにしておきます*1

*1:作品本体が見えない状態にしておくことで、もし何かの拍子で掛軸を落としてしまったとしても、その影響が作品本体に及ぶことを小さくすることが目的です。要するに「落下事故があっても作品本体だけでも守ろう!」ということです。

4  ←④

⑤.次は利き手の逆の手(写真では左手)で途中まで巻いた掛軸の真ん中を掴んで落ちないようにします。このときに左手は手の甲を見せるようにして優しく掛軸を掴んでください。掛軸を掛けるときとは左手の向きが逆になっていることに注目してください*2

*2:もし下ろすときに矢筈で掛緒を受け損ねるなどして落下事故が起こったとしても、指で掛軸を折るようなリスクを減らすことができます。

5  ←⑤

⑥.矢筈で掛緒を受けて、掛緒を自在から外します。

6  ←⑥

⑦.掛軸を畳などのうえにおろします。風帯が付いている掛軸の場合、このときに風帯を折りたたみます。風帯は着物と同じように右前になるように仕舞いますので、掛軸に向かって右側の風帯が向かって左側の風帯の上にくるようにします。

7  ←⑦

⑧.掛軸を八双の際まで巻きます(写真⑧-1)。掛軸を巻くときは体から離して少し掛軸を持ち上げると巻きやすいです。決して畳の上を転がすようにして掛軸を巻かないでください。掛軸を損傷する危険性があります(写真⑧-2)。

8  ←⑧-1 八双の際まで巻きました。

9 ←⑧-2 この巻き方は掛軸を損傷する危険性があります。

ここまできたら、あとは巻紙を当てて巻緒で掛軸を巻きとめます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。(青字をクリックしたらリンク先の記事をご覧いただけます。)

巻紙

巻緒(掛軸の巻きとめ方)

今回で『掛軸の身近なお話』シリーズは一区切りとさせていただきます。掛軸のお話はこれからもちょくちょく書いていきますので、お楽しみにしていてくださいね。

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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