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2011年10月 3日 (月)

表具のお話 その4 <表具師の変遷②>

こんばんは玉木覚です

今日は前回の記事に続きまして、<表具師の変遷②>をお届けします

表具師の起源と仕事内容の変遷について、前回は奈良時代から鎌倉時代までを紹介しました。鎌倉時代までは、まだ「表具師」という名前は登場しません。鎌倉時代までは「経師」という職名の者が現在の「表具師」の仕事内容に近いことをやっていました。(鎌倉時代には専門職として「唐紙師」、「唐紙大工」という職も登場しています。)

今日は室町時代からこんにちに至るまでの変遷を紹介します。

室町時代には裱褙師(ひょうほえし)という職名が登場します。「裱(ひょう)」とは表紙を飾ること、「褙(ほえ)」は裏打ちをすることです。「ひょうほえ」とは宋音の読みであり、当時はこの読みに対して、「表補絵」、「表背絵」、「表補衣」、「表布衣」、「裱褙絵」、「裱褙得」など、多くの字が当てられました。(「ひょうはい」と漢音で発音することもあり、この場合は「裱背」と書くことがあります。)

当時の「裱褙師」は掛物表具の専門職を指し、表具職名はここにいたって何でも屋のような「経師」から分化したといわれています。

「表具屋」という名称は文禄2年(1953年)に初めて登場します。ここでやっと「表具屋」という言葉が出てきました。わが国で表具職の前身が始まってから、1000年以上の年月が経っています。こうして見ると、「表具屋」という名称は表具職の歴史からみると比較的最近のものであることが分かります。なお、「表具」という言葉は天正(1573-92)頃から使われだしたといわれています。ちなみに、江戸時代に入ってからは、次第に「表補衣師」という言葉は使われなくなっていきました。

そのうちに、「表具師(または表装師)」、「経師」、「唐紙師」という名称が一般的になり、この頃の表具業者は上方では「表具師」、江戸では「経師」と呼ばれたことが記録に残っています。しかし、『両者とも障子を張り、襖を作る』と文献に書かれており、すでに両者の違いは呼び名の違いだけであったみたいです。

そして、明治時代以降は江戸時代の呼称のままで、こんにちまで呼ばれ続けています。

余談ですが、江戸時代には「大経師(だいきょうじ)」という職があったようです。これはもともと朝廷御用の職人で経師の長の称であり、よって一人しか存在しないはずですが、経師の別名の如く濫用されたそうです。

文字ばかりの記事になってしまいましてすみません。参考に挿絵などを入れたいのですが、適切なものが手元にありません。機会があればこのブログに載せていきたいと思います。

「表具師」と「経師」の関係が何となく見えたでしょうか。現在では、「表具師」と「経師」は同じ意味で使われています。

次回ももう少しだけ「表具」について紹介したいと思います。

お楽しみに~

表具師  玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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