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2011年11月15日 (火)

表展作品のメイキング⑰ <付廻し、その1>

こんばんは玉木覚です

前回までで、掛軸の幅・柱の幅・天地の布の長さ・表具布を組み合わせる位置・筋の太さ、などの掛軸を作るうえで重要なことを決定しました。ここで決めたひとつひとつのデータをメモに記録しておいて、そのデータを元に図面を作ると掛軸を設計図ができます。今後は基本的にはここで作った掛軸の設計図を元にして、作業を進めていきます。もし、この設計図通りに作業を進めても途中でイメージと違ってきてしまった場合には、イメージに近づけるように設計図に修正を加えます。

今日からは『付廻し』と呼ばれる工程に入ります。付廻しとは掛軸に使うそれぞれの材料(作品、表具布、筋)を実際に糊を使って貼り合わせていく工程です。この工程では、ひとつひとつの材料(部材)を糊で貼り合せていくので、掛軸の全体像が見えてきます。

注:こちらに簡単に『付廻し』を紹介しています。よろしければご覧ください。⇒「掛軸の作成工程」

今回の掛軸の付廻しは材料(部材)を貼り合せる作業が多かったので、付廻しの工程を数回に分けて紹介します。

今日は、作品の周りの筋(筋1)の付廻しと、掛軸上部のパーツの作成(写真1のピンク色の部分)を紹介します。(掛軸の左右の端に付いている筋(筋2)は、まだ付けません。筋2は付廻し工程の最後に付けました。)

11  ←写真1 掛軸の全体像

まずは、作品の周りの筋(筋1)の付廻しです。この工程では作品の裏面の四辺に均一の太さ(約7.5厘(約2.3 mm))に糊を付けて、そこに幅を2分(約6.1 mm)にカットした筋1の布(薄いベージュの無地の布)を貼り付けました(写真2、写真3)。

2  ←写真2 糊を付けているところ。

3  ←写真3 筋(筋1)を付けたところ。筋は四辺とも付けます。

次に掛軸上部のパーツ(写真1のピンク色の部分)を作ります。材料は二種類の表具布と筋(金襴)です(写真4、写真5)。筋に使う金襴は、あらかじめ2分(約6.1 mm)の幅にカットしておきます。

4  ←写真4 掛軸上部の表具布

6_2 ←写真5 金襴を2分(約6.1 mm)の幅にカットしたところ。

まずは、表具布の裏面に糊を付けます。表具布の筋の付く辺に、太さ(約7.5厘(約2.3 mm))の幅で均一に糊を付けます。そして、そこに2分(約6.1 mm)の幅にカットした筋(金襴)を貼り付けます(写真6、写真7、写真8)。

5  ←写真6 筋(金襴)を付けているところ。

6  ←写真7 筋(金襴)を付けたところ(裏から見たところ)。

7  ←写真8 筋(金襴)を付けたところ(表から見たところ)。

これで、片側の表具布に筋(金襴)が付きました。次に、もう一方の表具布を筋(金襴)に貼り合せるのですが、このときに筋(金襴)の幅(太さ)が3厘(約0.9 mm)に見えるように貼り合せます(写真9、写真10、写真11)。このとき、糊は金襴の付いていない方の表具布の裏面に、太さ(約7.5厘(約2.3 mm))の幅で均一に付けます。

注:3厘(約0.9 mm)という幅(太さ)を均一に出す為には、『覆輪定規』を使いました。(『覆輪定規』が「???」な方は、参考程度にこちらの記事をご覧ください。⇒『2010年11月 9日 (火) 表展作品のメイキング⑯(覚ver.)<付廻ししますよ、その5>』

8  ←写真9 筋(金襴)の幅(太さ)が3厘(約0.9 mm)に見えるように表具布を貼り付けているところ。

9  ←写真10 筋(金襴)の幅(太さ)が3厘(約0.9 mm)に見えるように表具布を貼り付けたところ。

10  ←写真11 筋(金襴)部分の拡大。筋(金襴)の幅(太さ)は3厘(約0.9 mm)。

これで、掛軸上部のパーツが完成しました。

次回はこのパーツを使って、デザインを確認しながら付廻しの作業を進めていきます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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