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2011年11月 3日 (木)

表展作品のメイキング⑨ <布の柄合わせ>

こんにちは玉木覚です

前回までで布の切り出しが完了しました。しかし、ここからすぐに裏打ち(肌裏)に入ることができるわけではありません。布は裏打ち(肌裏)の工程に入る前に「柄合わせ」を行います。今日は「柄合わせ」について紹介します。「柄合わせ」は、布を裏打ち(肌裏)する前の下準備です

今回使う布のうち、柄の入っている布は筋に使う金襴だけです。残りの布(2種類の表具布、筋に使う無地の布)は無地の布です。

5_2_3  ←掛軸の全体像

3_2_2  ←筋に使う金襴(筋3)

6_2_4  ←筋1と筋2(無地の布)

5_3_2  ←表具布1

8_2_3  ←表具布2

「柄合わせ」は文字の通り、布の柄をきれいに合わせます。しかし、「柄合わせ」は無地の布でも行います(無地の布の場合は柄が存在しませんので、「柄合わせ」とはいっても本当に柄を合わせるわけではありません)。切り出したばかりの布は無地・柄を問わずに繊維の目(通り)が歪んでいることが多いです。(裏打ちしていない布はふにゃふにゃしていますので、引っ張ったりして力を加えますと繊維の目(通り)が歪みます。)

「柄合わせ」は、柄の布の場合では歪んでいる柄を元に戻す作業になるのですが、無地の布の場合ですと布の繊維の目(通り)を真っ直ぐに直す作業になります。もしかすると柄の布と無地の布ではやっていることが違うように聞こえるしれませんが、柄を元に戻すということは布の繊維の目(通り)を真っ直ぐに戻す作業と同じ意味をもちますので、柄の布の場合でも無地の布の場合とやっていることは同じです。

もし、布の柄(繊維)が歪んだまま裏打ちをしてしまうと、裏打ちによって柄(繊維)が歪んだ状態で裏打ち紙に固定されてしまいます。この柄(繊維)が歪んだ布を掛軸の材料として使うと、柄の歪んだ掛軸が出来上がってしまいます。こうなると見栄えが悪くなりますので、注意が必要です

こちらが金襴の柄合わせをしている様子です。歪んでいる柄の通りをきれいに直すときには、布を手で引っ張って調節します。

1_4  ←まずは柄の横の通りを合わせます。

2_3  ←次に縦の柄の通りをチェックします。

無地の布の場合だと、繊維の目(通り)をチェックします。

4  ←繊維の目(通り)をチェックします。

5_4  ←繊維の目(通り)をチェックします。

写真には載せていませんが、全ての布の柄合わせ(繊維の目(通り)のチェック)を行います。

全ての布の柄合わせ(繊維の目(通り)のチェック)が完了したら、次は布の縮みを取る工程に入ります。この布の縮みを取る工程も、布の柄合わせ(繊維の目(通り)のチェック)と同様に裏打ちをする前の下準備になります。

では、次回もお楽しみに~

<おまけ>

柄合わせに関して、去年のメイキング記事に分かりやすい写真が載っていました。ご興味のある方は、こちらもどうぞご覧ください。⇒『2010年10月23日 (土) 表展作品のメイキング⑥(覚ver.)<肌裏の準備と柄合わせ>』

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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