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2011年12月 5日 (月)

表展作品のメイキング27 <総裏の準備、その2>

こんばんは玉木覚です

今日は総裏をする為に必要な材料の準備を紹介します。

注:こちらに簡単に『総裏』を紹介しています。よろしければご覧ください。⇒「掛軸の作成工程」

総裏は三回目の裏打ちです。今までの裏打ち(肌裏、増裏)でしたら裏打ちに必要な主な材料は「裏打ち紙」と「糊」でしたが、総裏では「裏打ち紙」と「糊」以外にも必要なものがあります。ですので、総裏の様子を紹介する前に、総裏で使う材料の準備の紹介を今回と次回の記事でおこないます。

<総裏で使う材料>

1.総裏に使う裏打ち紙(宇陀紙) (写真1)

12_2  ←写真1 真ん中の紙が宇陀紙です。

2.上巻き(絹) (写真2)

1  ←写真2 上巻き(絹)

3.袋(八双および軸木を取り付ける部分に必要な紙) (写真3)

2  ←写真3 袋

4.軸助け(上巻きと同じ絹) (写真4)

4  ←写真4 軸助け

5.糊

今回のブログ記事では、「1.宇陀紙」と「2.上巻き(絹)」について紹介します。まずは、「1.宇陀紙」と「2.上巻き(絹)」が掛軸のどこに使われているのか見てみます(写真5)。

4  ←写真5 掛軸の裏面

宇陀紙は掛軸裏面の上部(上巻き(絹)部分)を除く全てに使われています。一方、上巻き(絹)は掛軸の上部に使われています。

では、宇陀紙の紹介に入ります。宇陀紙(うだがみ)とは総裏で使う裏打ち紙です。この紙はサイズがあまり大きくないので、総裏をするときには数枚の宇陀紙を継いで使うことになります。しかし、宇陀紙を切りっ放し(『裁ち切り』)の状態で継いでしまうと宇陀紙の継ぎ目が目立つので、『喰い裂き』という加工をします。こちらが喰い裂きを作っている様子です(写真6)。

9  ←写真6 喰い裂きを作っているところ

そして、裁ち切りと喰い裂きを見比べるとこのようになります(写真7)。

8  ←写真7 裁ち切りと喰い裂き

喰い裂きは紙の繊維を引き出した状態になっています(写真5では手で紙をちぎっています。これによって紙の繊維が引き出されます)。写真6を見ると、裁ち切りと喰い裂きの違いが分かると思います。

ところで、総裏をするときには喰い裂き同士を継ぎ合わせます。そうすることによって、宇陀紙の継ぎ目を目立たなくします。

次に「上巻き(絹)」です。これは、写真5で見るように、掛軸の上部に使われます。この部分は掛軸を巻き仕舞ったときに、一番外側にきます(写真8)。

1  ←写真8 掛軸を巻き仕舞ったところ(このときに見えている部分が上巻き(絹)です)

さて、上巻きですが、これは絹を紙で裏打ちしたものです。【『上巻き(絹)』と書いてきましたので、今さらですね…

ですので、絹の独特の光沢と言いますか艶があります(写真9)。

8_2  ←写真9 上巻き(絹) 【写真では光沢が分かりにくいかもしれませんが。】

ところで、上巻き(絹)の準備ですが、こちらは宇陀紙のようにややこしくないです。上巻き(絹)を軸の幅より少し長めの長さでにカットして、端っこの余計な部分(写真2、写真9で見える端っこのガタガタした部分)を切り落としておきます。これで上巻き(絹)の準備はオッケーです。

次回は、「袋(八双および軸木を取り付ける部分に必要な紙)」と「軸助け(上巻きと同じ絹)」を紹介します。

それでは、次回もお楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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