« 表展作品のメイキング30 <八双の準備> | トップページ | 表展作品のメイキング32 <裏擦り> »

2011年12月11日 (日)

表展作品のメイキング31 <軸木の準備>

こんばんは玉木覚です

昨夜は月食でしたね。ご覧になった方も多いことと思います。私は遅い晩ご飯を食べに行く道中でちらりと見ただけなのですが、赤銅色になった満月はとても神秘的でした

閑話休題

さて、掛軸のメイキング記事ですが、今日は軸木の準備を紹介します。

軸木は掛軸の下端にある木の棒です。掛軸の全体像(図1)でご確認ください。

10_2  ←図1 掛軸の全体像

軸木は掛軸を巻き仕舞うときの芯となります。また、軸木の両端には軸先が取り付けられます(図1)。軸先は掛軸の意匠のアクセントになったり、掛軸を巻き仕舞う時に手を掛けるための取っ手の役割を果たします。

軸木は八双と同様に掛軸の内部に包まれる形で存在しますので、掛軸の表から軸木そのものの木を見ることはできません。(軸木を掛軸の内部に取り付けるために、総裏の工程で『袋』を取り付けました。)

軸木には軸木用の材木があるので、それを掛軸の幅と同じ長さプラス軸先を取り付けるために必要な長さ(後で凸形に加工します)でカットします。このカットしたものを軸木として使います。写真1は掛軸の幅を測っているところです。

1  ←写真1 掛軸の幅を測っているところ

軸木用の材木は、断面が円形の棒です(写真2、写真3)。

3  ←写真2 軸木用の材木

2  ←写真3 軸木用の材木(下はものさし)

軸木用の材木は、反りやネジレが比較的少ないものを選んで使うようにします。

ところで、軸木には数種類の太さ(直径)があります。この太さ(直径)は使用する軸先の太さ(直径)に合わせて使い分けます。今回の軸先は太さ(直径)が9分のものを使用しますので、軸木の太さ(直径)も軸先と同じ9分のものにしました(写真4、写真5)。

6  ←写真4 軸先の太さ(直径)=9分

4  ←写真5 軸木の太さ(直径)=9分

軸木用の材木をカットするためには電動ノコギリを使います(写真6)。

7  ←写真6 電動ノコギリ

電動ノコギリで軸木用の材木をギュイーンとカットしたら、軸木に使える棒が切り出せるわけなのですが、この切り出した軸木の両端に少し細工をします。写真4には軸先が写っていますが、軸先の中心に穴が開いているのが分かると思います。この穴に軸木を差し込めるように、軸木の両端を凸型に加工します。この加工も電動ノコギリでおこないました。写真7は軸木の端を凸型に加工したところです。

11  ←写真7 軸木の端を凸型に加工したところ

軸先とセットで見るとこのようになります(写真8)。

12  ←写真8 軸先とセットで見たところ

ここまでできたら、軸先の穴と軸木の凸を接着剤をつけて外れないように組み合わせます(写真9)。

13  ←写真9 軸先の穴と軸木の凸を接着剤でとめたところ

これとまったく同じことを、もう片方の端にもしました。これで軸木と軸先が無事に組み合わさりました(写真10)。

8  ←写真10 軸木と軸先が組み合わさったところ(写真中央)

これにて、軸木の準備ができました。

次回は、総裏後に仮張りに掛けてしっかりと乾燥させた掛軸を仮張りから外して次の工程に入ります。

お楽しみに~

<おまけ>

今回の掛軸に使った軸先は利久(りきゅう)という形のもので、太さ(直径)は9分のものです。

5  ←軸先:利久(りきゅう)

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

« 表展作品のメイキング30 <八双の準備> | トップページ | 表展作品のメイキング32 <裏擦り> »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 表展作品のメイキング31 <軸木の準備>:

« 表展作品のメイキング30 <八双の準備> | トップページ | 表展作品のメイキング32 <裏擦り> »