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2011年12月19日 (月)

表展作品のメイキング36 <紐(掛緒)の取り付け>

こんばんは玉木覚です

前回で座金と鐶の取り付けが完了しました(写真1)。

8_2  ←写真1 座金と鐶を二箇所に取り付け終わったところ(矢印の先が座金と鐶)

今日は、鐶に紐(掛緒)を取り付ける(結いつける)様子を紹介します。

掛軸の紐には、掛緒と巻緒の二種類があります。掛緒と巻緒に使う紐は、異なる二種類の紐ではなく、まったく同一の紐です。しかし同一の紐であっても、紐の担う役割によって呼び分けられます。

掛緒は鐶に結いつけられ、掛軸を掛けるときに吊り金具などに引っ掛けます。つまり、掛緒を吊り金具に引っ掛けて、掛軸を掛けます。

一方、巻緒は掛軸を巻き仕舞うときに使います。掛軸はクルクルと巻いたままの状態だとキチンと仕舞う事ができません。この状態ではマズイので、巻いた掛軸を巻緒でキチンと留めることで、掛軸を巻き仕舞うことができます。

●巻緒と掛緒に関しては、こちらに二つの関連記事がございます。よろしければご覧ください。

2011年10月13日 (木) 掛軸の身近なお話⑤

2011年10月15日 (土) 掛軸の身近なお話⑥

図で紐(掛緒と巻緒)の取り付け位置を確認しておきましょう(図1)。

10_2_2  ←図1 掛軸の全体像(裏面)

紐には幾つかの種類があります(写真2)。(紐に関してはこちらに関連記事があります。よろしければご覧ください。⇒『2011年6月 8日 (水) 紐』

1_2  ←写真2 いろいろな種類の紐

さて、今回の掛軸には、写真2の左から2番目に写っている紐を使うことにしました。この紐は白茶色の無地です(写真3)。

2_2  ←写真3

文人系には無地の白茶色が似合う場合が多いと言われていますので、今回の掛軸(デザイン表具ですが、ベースは文人様)にも無地の白茶色を使うことにしました。作業に入る前の確認の段階で、実際に写真3の紐と掛軸を組み合わせてみるといい感じに調和していましたよ。

では、鐶に紐を取り付ける(結いつける)様子を紹介します。

まずは、片方の鐶に紐を結いつけます(写真4)。

3_2  ←写真4 鐶に紐を結いつけたところ

次にもう片方の鐶に紐を結いつけます(写真5)。

4_2  ←写真5 もう片方の鐶に紐を結いつけたところ

これで両方の鐶に紐を結いつけることができました。このときに、結いつけた紐がピンと張るようにします。そして、紐の余分な部分はカットしておきます(写真6)。

5_2  ←写真6 両方の鐶に紐を結いつけたところ

しかし、この状態では紐を切った切り口が切りっぱなしになっており、見た目が良くありません。そこで、紐の切り口をきれいに整えます(写真7、写真8)。

9  ←写真8 紐の切り口を整えたところ

10_3  ←写真9 紐の切り口を整えたところ

これで紐を鐶に取り付ける(結いつける)作業は完了です。この紐が掛緒になります。

次回は掛緒に巻緒を取り付ける様子を紹介します。この作業が完了すると、掛軸が完成します。

お楽しみに

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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