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2011年12月23日 (金)

メイキング記事のまとめ②「表具布の準備~肌裏」

こんばんは玉木覚です

早速、本題に入りましょう。

今日は前回のまとめ記事の続きです。「表具布の準備~肌裏」の工程を追いかけてみましょう。(作業工程の番号は、作業の順に通し番号になっています。)

6.表具布の準備

掛軸に使う表具布を、必要な面積にカットします(写真1)。布をカットするときは、布の繊維の目に沿って切ります。こうすることで布を歪んでカットしてしまうことを防ぎます。

2  ←写真1 表具布をカットしているところ

7.裏打ち紙(肌裏用)の準備

肌裏に使う裏打ち紙を準備します。今回使う表具布は、布の織目が粗いものもあります。そういった布に白い裏打ち紙を使うと、白い裏打ち紙が透けてしまって見た目が悪くなります。そこで、必要に応じて色の付いた裏打ち紙を使いました(写真2)。

4  ←写真2 表具布と裏打ち紙

作品には白い裏打ち紙(美濃紙)を使いました(写真3)。

1  ←写真3 作品と裏打ち紙

8.柄合わせ

裏打ち紙を準備したら、次は表具布に一手間加えます。裏打ちする前の表具布は、布の柄(織り)が歪んでいる場合が多いです。そこで、この工程では表具布の柄(織り)の歪みを解消します。写真中では透明の定規を直線のガイドに用いています(写真4、写真5)。実際の作業では、布を手で引っ張って柄(織り)の歪みを解消して、柄をきれいに出します。

1_2  ←写真4 柄の布の柄合わせをしているところ

無地の布の場合ですと、柄がありませんので織りの歪みを取り除いてやります(写真5)。

4_2  ←写真5 無地の布の織りの歪みを取り除いているところ

9.布の縮み取り

「布の縮み取り」は柄の布と無地の布の両方ともします(普通、裏打ち(肌裏)する布は全て縮みを取ります。)この工程では、布に十分な水分を均一に浸透させて乾燥さます(写真6、写真7)。

布は水分が浸透することによって伸びて、この状態から乾燥させると縮む性質があります。この性質を利用して、布の縮みを取ります。もし、布の縮みを取らずに裏打ち(肌裏)をすると、糊の水分が布に浸透することによって、裏打ちした布が伸びてシワができてしまいます。

2_2  ←写真6 スプレーで噴霧しているところ

3  ←写真7 乾燥させているところ

10.肌裏(一回目の裏打ち)

肌裏は一回目の裏打ちです。(掛軸ができるまで、裏打ちは合計で三回あります。)

裏打ち紙の準備と表具布の準備(柄合わせ、布の縮み取り)ができたら、肌裏に入ります(写真8)。しっかりと裏打ちできたら、仮張りで充分乾燥させます(写真9)。

3_2  ←写真8 シュロ刷毛で撫でているところ

6  ←写真9 仮張りで乾燥させているところ

次回は、増裏(二回目の裏打ち)の準備から先の工程を追いかけてみます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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