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2011年12月24日 (土)

メイキング記事のまとめ③「増裏の準備~付廻し【前編】」

こんばんは玉木覚です

今日は「増裏の準備~付廻し【前半】」の工程を追いかけてみましょう。(作業工程の番号は、作業の順に通し番号になっています。)

11.増裏の準備(増裏は二回目の裏打ちです)

肌裏を入れたものを仮張りに掛けて充分乾燥させます。仮張りに掛けたものが充分乾燥していることを確認したら、これらを仮張りから剥がします。このままでは仮張りから剥がしたものの周囲に余分な紙(バリのようなもの)が付いていますので、この余分な紙をカットします(写真1)。

(注:筋に使う布(淡いベージュの布と金襴)には増裏を入れませんでしたので、仮張りから剥がしていません。)

1_3  ←写真1 仮張りから剥がして周囲の余分な紙をカットしたあと

次に、増裏に使う裏打ち紙を準備します(写真2)。

5  ←写真2 増裏を入れるものと準備した裏打ち紙

12.増裏(二回目の裏打ち)

裏打ち紙の準備ができたら、増裏をおこないます(写真3)。

2_3  ←写真3 シュロ刷毛で撫でているところ

増裏を入れ終わったら、肌裏のときと同じ要領で仮張りに掛けて充分乾燥させます(写真4)。

4_2_2  ←写真4 増裏を入れたものを仮張りで乾燥させているところ

13.デザイン(意匠)の確認

仮張りに掛けている増裏を入れたものが充分に乾燥したら、仮張りから剥がします。仮張りから剥がしたら、【11.増裏の準備】で行ったように仮張りから剥がしたものの周囲の余分な紙をカットします。このときに、肌裏を入れただけで仮張りに掛けっぱなしている筋に使うの布(淡いベージュの布と金襴)も、仮張りから剥がしておきます。

ここまで出来たら、掛軸の出来上がりをイメージしてデザインの確認をします。この工程では、実際に掛軸が出来上がった様子をイメージしながら材料を組み合わせます(写真5)。写真中のものさしで区切ったところが実際の掛軸の大きさと仮定しています。最も自分のイメージに近くなるように、部材を動かしたり、ものさしを動かしたりします。

4_3  ←写真5 デザイン(意匠)を確認しているところ

自分の仕上りイメージに最も近い状態になったら、掛軸の幅・柱の幅・天地の布の長さ・表具布を組み合わせる位置、などの細かなデータをメモにとっておきます。このメモが掛軸の設計図になります。

なお、このときに掛軸の筋(写真6の筋1・筋2・筋3)の太さも確認してメモにとっておきます。

5_2  ←写真6 掛軸の全体像

14.付廻し(付廻しの工程は長かったので、2・3回に分けます)

掛軸のデザイン(意匠)が決まったら、付廻しの工程に入ります。付廻しとは掛軸に使うそれぞれの材料(作品、表具布、筋)を実際に糊を使って貼り合わせていく工程です。

2_2_2  ←写真7 増裏で使う材料と道具

14-1.付廻し【前半】

付廻しの前半ということで、まずは作品の周りに筋(写真6の筋1)をつけます。作品の四方に糊を付けます(写真8)。

2_3_2  ←写真8 作品の一辺に糊を付けているところ

しっかりと糊を付けたら、ここにあらかじめカットしておいた筋の布(淡いベージュの無地の布)を貼ります(写真9)。

3_3  ←写真9 作品の一辺に筋の布を貼ったところ

この工程を四辺分繰り返すと、作品の四方に筋の布が付きます。

次回は、「付廻し【中編】」から先の工程を追いかけてみます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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