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2012年1月 6日 (金)

メイキング記事のまとめ⑥「総裏の準備~仮張り」

こんばんは玉木覚です

今日は去年に引き続きまして、掛軸のメイキング記事のまとめをお送りします。

前回の記事では「付廻し【後半】~耳折り」の工程までまとめてみました。

(前回のまとめの記事⇒『2011年12月27日 (火) メイキング記事のまとめ⑤「付廻し【後編】~」』

今日は「総裏の準備~仮張り」の工程を追いかけてみましょう。(作業工程の番号は、作業の順に通し番号になっています。)

16.総裏の準備

総裏の作業に入る前に、まずは掛軸の丈(長さ)を決めます。写真1では、掛軸の上方にあるものさしを八双に、下方にあるものさしを軸木に、それぞれ見立てています。

111  ←写真1 掛軸の丈(長さ)を決めているところ

掛軸の丈(長さ)が決まったら、次は総裏に使う材料を準備します。今回のメイキング記事では、総裏に使う材料のうち、主なもの(宇陀紙、上巻き、袋、軸助け)を紹介しました。

1.総裏に使う裏打ち紙(宇陀紙) (写真2)

宇陀紙はサイズがあまり大きくないので、総裏をするときには数枚の宇陀紙を継いで使います。しかし、宇陀紙を切りっ放し(『裁ち切り』)の状態で継いでしまうと宇陀紙の継ぎ目が目立つので、『喰い裂き』という加工をします。そして、総裏をするときには喰い裂き同士を継ぎ合わせます。そうすることによって、宇陀紙の継ぎ目を目立たなくします。

4_2  ←写真2 宇陀紙(右側のように喰い裂きに加工したものを使います。)

2.上巻き(絹) (写真3)

「上巻き(絹)」は絹の独特の光沢を持っています。そして、「上巻き(絹)」は掛軸の上部に使われます。

1  ←写真3 上巻き(絹)

「上巻き(絹)」は、掛軸を巻き仕舞ったときに一番外側にきます(写真4)。

11  ←写真4 掛軸を巻き仕舞ったところ(このときに見えている部分が上巻き(絹)です)

3.袋(八双および軸木を取り付ける部分に必要な紙) (写真5)

袋は、掛軸上端の八双と掛軸下端の軸木を固定する為に使う材料です。写真5ではロール状になっていますが、使うときには掛軸の幅よりも少し長い長さにカットします。

2  ←写真5 袋

4.軸助け(上巻きと同じ絹) (写真6)

軸助けは上巻き(絹)と同じものを使用しており、軸木を取り付ける部分を補強する役目があります。上巻き(絹)をハサミでカットして、写真6のようにします。

3  ←写真6 軸助け

17.総裏(三回目の裏打ち)

総裏に使う道具と材料(写真7)の準備が出来たら、総裏の作業に入りましょう。

5  ←写真7 総裏に使ったもの

まずは、付廻しが完了した作品を裏向きにして作業台に乗せます。この状態で、八双と軸木を取り付けるための『袋』をセットします(写真8)。

6  ←写真8 八双と軸木を取り付けるための『袋』をセットしたところ

次に、上巻き(絹)と宇陀紙を使って裏打ち(総裏)をします。写真9は宇陀紙に糊を付けているところ。

7  ←写真9 宇陀紙に糊を付けているところ

『宇陀紙』で掛軸の下端(軸木を取り付ける袋)まで裏打ちが完了したら、仮張りに掛けてしっかりと乾燥させます(写真10)。

8_2  ←写真10 仮張りに掛けて乾燥させているところ

このときに、『軸助け』を貼り付けておきます(写真11、写真12)。

9  ←写真11 軸助け

10   ←写真12 軸助け

次回は『八双の準備』から先の工程を追いかけます。

それでは、次回もお楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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