« 第23回甲陽会書道展 | トップページ | 第47回 兵庫県書道展 »

2012年2月13日 (月)

裏打ちの紙⑥

こんばんは玉木覚です

今日は裏打ちに使う紙の紹介です。

前回の記事では、肌裏に使われる紙(美濃紙)を紹介しました。

今日は増裏に使われる紙を紹介します。

増裏に使われる紙は、ちゃんとした名前がありまして、このブログで紹介するものは『美須(みす)紙』と呼ばれます。

まずは、写真でどんな紙なのか見てみましょう(写真1、写真2)。

3_2  ←写真1 増裏に使われる紙(美須紙)

4  ←写真2 増裏に使われる紙のアップ(美須紙)

美須紙は「楮(こうぞ)」を原料にして作られている薄紙です。(「楮」は、先日紹介しました「美濃紙」の原料でもあります。)

この紙は、簀伏(すぶせ)と呼ばれる製法を用いて作られ、さらに「楮」とは別に胡粉(もしくは石粉)が混ぜられています。この方法によって作られる美須紙は、紙の風合いに柔らかさがあり、また紙に調湿作用があります。ただし、胡粉を混ぜるので、紙の強度は弱くなります。

*胡粉(ごふん):牡蠣の貝殻を粉砕して作られる粉。主には白色顔料として用いられる。

こうして考えると、先日(2月1日)の記事で私が書いた下記の内容は、その製法と胡粉に秘密があったようです。

「肌裏に使われる紙と増裏に使われる紙を触ったときの感触ですが、増裏に使われる紙の方がやや柔らかくてシットリしているように感じます。また、増裏をするときにこの紙に糊を付けると、肌裏に使われる紙の時よりも破れやすい印象があります。(2月1日の当ブログ記事から抜粋)」

6  ←写真6 左:肌裏に使う紙(美濃紙)の「薄口」、右:増裏に使う紙(美須紙)の「薄口」

ちなみに、2月1日のブログ記事で「美濃紙と美須紙を並べてみたときに美須紙の方が僅かに白っぽく見える」とも書きましたが、これも胡粉によるものと考えられます。

ところで、美須紙(美栖(みす)紙)は現在では掛軸に用いるのが主な用途のようです。また、この紙はその特殊な性質から非常に優れた最高級の紙です。

紙って一見同じように見えますが、それぞれに特徴があって面白いですね。

次回は総裏に使われる紙を見てみます

お楽しみに~

<おまけ>

今日紹介した『美須(みす)紙』は、『美栖(みす)紙』の代用です。代用といっても変なものではありません。『美栖(みす)紙』という名前は奈良県吉野地方で作られるものを指すのに対して、『美須紙』という名前は奈良県吉野地方以外で作られるものを指します。要するに産地が違うということですね。

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

« 第23回甲陽会書道展 | トップページ | 第47回 兵庫県書道展 »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 裏打ちの紙⑥:

« 第23回甲陽会書道展 | トップページ | 第47回 兵庫県書道展 »