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2012年2月19日 (日)

裏打ちの紙⑦

こんばんは玉木覚です

昨日今日と気温が低い日が続いていますね。天気予報では「今日あたりが寒さの底」と言っていました。そろそろ暖かくなって欲しいものです

では、今日の本題です。今日は裏打ちに使われる紙の紹介です。

前回の記事では、増裏に使われる紙(美須紙)を紹介しました。

今日は総裏に使われる紙を紹介します。まずは総裏に使われる紙をご覧ください(写真1、写真2)。この紙は『宇陀(うだ)紙』と呼ばれます。

1  ←写真1 総裏に使われる紙(宇陀紙)

2  ←写真2 総裏に使われる紙(宇陀紙)のアップ

宇陀紙は、奈良県吉野地方で漉かれる『楮(こうぞ)』でできた紙です。(楮といえば、美濃紙(肌裏の紙)や美須紙(増裏の紙)の材料でもあります。)

宇陀紙には、楮以外に白い土粉を混ぜて作られます。この土粉が入ることによって、透け止め、防虫、といった効果が紙に付与されます。また、宇陀紙は紙面に独特の趣(美しさ)があります。これは、宇陀紙が竹簀(たけす)ではなく、萱簀(かやす)で漉かれることに起因するといわれています。

3  ←写真3 左:肌裏に使う紙(美濃紙) 中央:増裏に使う紙(美須紙) 右:総裏に使う紙(宇陀紙)

写真では各紙の違いが分かりにくいですね

宇陀紙は以前は傘紙などに用いられましたが、現在では掛軸の総裏に使われることがほとんどのようです。

当ブログの『裏打ちの紙④』の記事で宇陀紙の感触に関して次のように表現しましたが、このことは上で紹介したような宇陀紙の製造方法と材料に因るものなのでしょうね。⇒「総裏に使われる紙にはこの紙独特の質感があります。増裏に使われる紙ほどではないですが、シットリと言いますか柔らかい感じがします。」(ブログ記事から抜粋)

これで、肌裏に使われる紙(美濃紙)、増裏に使われる紙(美須紙)、総裏に使われる紙(宇陀紙)が出揃いました。マニアックな内容でしたが、なんとなく違いをお伝えすることができたでしょうか。

裏打ちに使われる紙の連載記事はこれで一段落としまして、次回からは表具に使われる紙を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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