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2012年3月 8日 (木)

色々な紙③

こんばんは玉木覚です

今日は表具で使われる紙を紹介します。

今日は『鳥の子』と呼ばれる紙の紹介です。

まずは『鳥の子』を見てみましょう(写真1)。

1  ←写真1 『鳥の子』

写真から『鳥の子』の色がなんとなく黄色っぽいことが確認できますでしょうか?(写真が暗くてすみません背景には白の紙を使っています。)

『鳥の子』という名前の由来は、この紙の色が鶏の卵の殻のような淡い黄色をしていることから名付けられたといわれています。余談ですが、この色の名前を『鳥の子色』といいますが、卵黄色は『玉子色』と呼ばれており異なる色です。

この『鳥の子色』は、原料に使われる雁皮(がんぴ)に由来するものですが、雁皮の処理の具合によっては『鳥の子色』が薄くなります。『鳥の子』はもともと雁皮を原料とする紙で中世から漉かれ始めたとされていますが、現在では需要が多くなった為、供給量の少ない雁皮以外にも、三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、木材パルプなども使われています。雁皮以外の原料を使った場合は紙の色が「鳥の子色」ではなくなってしまうので、『鳥の子色』に着色するといった加工が施されます。

『鳥の子』の用途ですが、襖や屏風の上張り、襖絵や屏風絵に用いられています。表具の世界では比較的汎用性の高い紙とされています。(みなさまのお家の襖や屏風にも『鳥の子』が使われているかもしれません。)

さて、本日紹介した『鳥の子』ですが、実はたくさんのバリエーションがあります。本日紹介したものは、『鳥の子』と呼ばれる紙の中でも『鳥の子(一号)』というものです。この「一号」というのは『鳥の子』の種類を表しており、「特号」、「一号」、「二号」、「三号」、「四号」という5つの種類があります。この5つの種類は、使われている原料の違いや原料の配合比によって区別されます。(紙面の関係上、詳しい話はまたの機会に譲ります。)

『鳥の子』は今まで紹介してきた表具で使う紙の中で、みなさまが最も身近に目にする紙だと思います。写真では上手に紙の質感をお伝えすることが難しいのですが、実物は独特の色合いと艶のある美しい紙です。

次回は、また別の紙を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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