« 第65回 尼崎市展 | トップページ | 探し物 »

2012年10月 1日 (月)

表展作品のメイキング記事 その2 (一文字の選定)

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸のメイキング記事です。

写真1の掛軸ができるまでの工程を、写真を交えながら紹介していきます。

3_2 ←写真1 掛軸(完成品)

さて、今日はこの掛軸の一文字に使う布の選定を紹介します。一文字というのは、写真1の掛軸でいいますと、作品の上下に隣接している布のことです。写真1の掛軸では、作品の上下に金色に見える布が付いていますが、これが一文字です。

一文字に使う布にはいくつかの種類があるのですが、今回は金襴を使うことにしました。金襴とは、今から写真で紹介する布なのですが、特徴として文様を織り出す金色の横糸が使われています。ちなみに、写真2~写真9に写っている布は全て金襴です。

では金襴を見てみましょう。

1 ←写真2 金襴(一文字の布)いろいろ

4_3 ←写真3 金襴(一文字の布)

2 ←写真4 金襴(一文字の布)

3 ←写真5 金襴(一文字の布)

6 ←写真6 金襴(一文字の布)いろいろ

7_2 ←写真7 金襴(一文字の布)いろいろ

金襴には、さまざまなタイプの布地の色や文様(柄)があります。文様(柄)によっては作ろうとしている掛軸の仕立(真・行・草)に好適なものもあれば、そうでないものもあります。このあたりのお話は長くなりますので、別の機会に譲ります

今回、掛軸に仕立てる作品には、『無』・『風』・『竹』といった言葉が書かれていますので、掛軸全体のイメージとしては、「落ち着き」・「侘びさび」・「凛とした雰囲気」を想像しました(もちろん作品の大意も拝見しました⇒2012年9月24日 (月) 『表展作品のメイキング記事 1』 )。

このイメージを表現できるように、いろいろな金襴を作品と実際に合わせてみました。そうして、写真8の金襴を選びました。

8_2 ←写真8 金襴(一文字の布)を作品にあわせたところ

金にところどころ朱が入っていて、面白い趣です(写真9)。

5 ←写真9 写真8の金襴(一文字の布)の拡大

ちなみに、一文字の布(金襴)を唐突に選んでいるように見えていますが、実際には作品と対面して大意を読んだ段階で頭の中には掛軸が完成したイメージを浮かべています。そして、私の場合は基本的にはこのイメージをどれだけ形にできるかを考えながら作業を進めていきます。例えば、今回でしたら次のようなことを思い浮かべていました。

●掛軸の仕立は茶掛(草の草)。
●色使いは緑を基調として、「落ち着き」・「侘びさび」・「凛とした雰囲気」を表現する。
●掛軸の上下(天地とも言う)には紙を使う⇒風帯は押風帯。

もちろん、これらの思い浮かべていることは絶対ではなく、作業を進めていく途中でさらに良い案が思いついて多少は変更することもあります。必ずしも、「こういう風に仕上げなければいけない」と決めてしまって掛軸を作っているわけではありません。

ところで、今回の掛軸は緑を基調に考えていますので、そのイメージに合うように金襴を選びました。基調となる緑は、次回以降の記事で紹介します中廻と天地に登場します。

では、次回では中廻の布を選びます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

« 第65回 尼崎市展 | トップページ | 探し物 »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 表展作品のメイキング記事 その2 (一文字の選定):

« 第65回 尼崎市展 | トップページ | 探し物 »