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2012年11月27日 (火)

表展作品のメイキング記事 その11 (増裏)

前回の記事から、間が空いてしまいすみません。

今日は掛軸のメイキング記事です。

この記事では、写真1の掛軸ができるまでの工程を、写真を交えながら紹介していきます。

3_2 ←写真1 掛軸(完成品)

今日は二回目の裏打ちである『増裏(ましうら)』の工程を紹介します。この工程では、作品や布にしなやかさを付与し、さらに厚みを調整します。

●裏打ち(増裏)に関しては、こちらのリンク先をご参照ください。
『玉木楽山堂のウェブサイト』の掛軸の作製工程
2011年11月 8日 (火) 表展作品のメイキング⑬ <裏打ち(増裏)の準備>
2011年11月 9日 (水) 表展作品のメイキング⑭ <裏打ち(増裏)>

裏打ちに関する細かいお話は上記リンク先に譲るとしまして、今回の記事では増裏の様子を写真を交えてざっと紹介します。

まずは、増裏を入れるものを準備します。今回、増裏を入れるものは、作品、一文字に使う布、中廻の上下に使う布、の三種類です(写真2)。他の部材(天地の揉み紙、中廻の柱、押風帯に使う紙)には増裏を入れませんでした

:増裏は、肌裏を入れた掛軸に使う材料(作品、布、紙)にさらに裏打ちをすることによって、それらの材料にしなやかさを与えることと、増裏の裏打ち紙を付加することで厚みを調節することが目的です。しかし、裏打ち紙がプラスされる分、多少の硬さもプラスされてしまいます。ここでは増裏によってしなやかさをプラスするよりも硬さがプラスされることによる悪影響(不必要に材料が硬くなること)を避けるために、天地の揉み紙・中廻の柱・押風帯に使う紙、には増裏を入れませんでした。

1 ←写真2 仮張りから剥がしたところ(作品、一文字に使う布、中廻の上下に使う布)

次に、増裏に使う裏打ち紙を準備します(写真3)。紙には数種類の厚さのものがあるのですが、紙の厚みは増裏をするものによって使い分けます。写真3の紙は極薄という紙の厚さですが、今回はこの他に薄口という厚さの裏打ち紙も使いました。

2_2 写真3 増裏に使った裏打ち紙(極薄)

裏打ち紙は、増裏を入れるものよりも少しだけ大きめに準備します(写真4)。(増裏を入れるものよりも少し大きなサイズで裏打ち紙を用意しておかないと、裏打ちがやりにくいですし、裏打ちした後に仮張りに掛けるための糊しろが確保できなくなってしまいます。)

3 ←写真4 裏打ち紙を準備したところ

ここまで準備できたら、あとは裏打ち紙に糊を付けて、増裏を入れていきます(写真5、写真6)。

4_2 ←写真5 裏打ち紙に糊を付けているところ

5_2 ←写真6 シュロ刷毛で撫でているところ

増裏を入れたら、仮張りに掛けてしっかりと乾燥させます(写真7)。

6 ←写真7 増裏を入れたものを仮張りに掛けて乾燥させているところ

(注):写真7の仮張りには中廻の柱に使う布(作品の左)も掛かっていますが、この布には増裏を入れていません。中廻の柱に使う布は、肌裏を入れた後、上辺だけをのりで仮張りに掛ける方法(釣り干し)で乾燥させています。

次回は、裏打ちを入れた作品・布・紙を組み合わせていく工程に入ります。この工程では、今まではバラバラのパーツだったものが実際に掛軸に組み上がっていきます。いよいよ掛軸の形が見えてきます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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