« 表展作品のメイキング記事 その7 (布の柄合わせと布の縮み取り) | トップページ | 秋はどこへ? »

2012年11月 1日 (木)

掛軸の形式(草の草)

こんばんは玉木覚です

唐突ですが、今日は草の草仕立の掛軸の形式を紹介します。

以前、このブログ記事で草の草仕立の掛軸を紹介しました(⇒『2011年7月16日 (土) 草の草(掛軸)』)が、そのときは天地(上下)の素材に紙を使ったものを紹介しました(写真1の掛軸)。

3_2_2 ←写真1 草の草仕立の掛軸の例(天地(上下)の素材は紙)

写真2は、写真1の掛軸の上部の拡大です。

6 ←写真2 写真1の掛軸の上部の拡大

図1は、写真1の掛軸を模式図にしたものです。

1_2 ←図1 写真1の掛軸を模式図にしたもの

このとき以降の記事では、草の草仕立の掛軸は図1の形式のものしか紹介していませんでした。草の草仕立にはいくつかの形式があるのですが、そうであるにもかかわらずひとつの形式しか紹介しておらず、すみませんでした。

今日は、図1の形式以外の草の草仕立の形式を紹介します。

まずは、草の行仕立(写真2、図2)から一文字をなくした形式です(図3)。

7 ←写真2 草の行仕立の例   1_2_2 ←図2 草の行仕立の模式図

2 ←図3 一文字が付かない草の草仕立

次に、草の行仕立から風帯をなくした形式です(図4)。

3 ←図4 風帯が付かない草の草仕立

最後に、草の行仕立から一文字と風袋をなくした形式です(図5)。

4 ←図5 一文字と風帯が付かない草の草仕立

たくさん紹介しましたが、これらのうちで多く見受けられるのは図1(一文字付、天地が紙で押風帯の形式)と図3(草の行仕立から一文字をなくした形式)です。図4(草の行仕立から風帯をなくした形式)は、あまり多く見かけることがありません。図5(草の行仕立から一文字と風帯をなくした形式)は、大津絵などを草の草仕立にする場合に使われることがあるようです。

<おまけ>
一文字を付けない形式は、風帯を略式風帯にする形式よりも、より格下の表現といわれています。これは、一文字の布には高価な布(金襴など)を用いるからだといわれています。

また、大津絵などを草の草仕立にする場合は、「一文字無しの風帯付」や「一文字無しの風帯無し」といった形式にすることが多いようです。この場合、一文字を付けない理由は、上記の理由の他にも「場合によっては、一文字が絵の鑑賞に障るから」ということも考えられます。

掛軸の形式は草の草仕立のように、その仕立の中に何種類かの形式を持つものがあります。そして、そのことに対する説明は諸説あります。このブログで紹介している記事は、諸説ある中のひとつとお考えください。

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

« 表展作品のメイキング記事 その7 (布の柄合わせと布の縮み取り) | トップページ | 秋はどこへ? »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 掛軸の形式(草の草):

« 表展作品のメイキング記事 その7 (布の柄合わせと布の縮み取り) | トップページ | 秋はどこへ? »