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2012年12月 6日 (木)

表展作品のメイキング記事 その13 (付廻し(切り継ぎ)②)

今日は掛軸のメイキング記事です。

この記事では、写真1の掛軸ができるまでの工程を、写真を交えながら紹介していきます。

3_2 ←写真1 掛軸(完成品)

今日は前回に続きまして、『付廻し(切り継ぎ)』の工程を紹介します。『付廻し(切り継ぎ)』の工程では、裏打ちをした作品や材料(布や紙)をカットして、糊で継いでいきます。

●付廻し(切り継ぎ)に関しては、こちらのリンク先をご参照ください。
『玉木楽山堂のウェブサイト』の掛軸の作製工程

(こちらの記事は今回の掛軸とは形式が違いますが、「作品や材料をカットして糊で継いでいく」、という意味では同じことをしています。
『2011年11月15日 (火) 表展作品のメイキング⑰ <付廻し、その1>』
『2011年11月17日 (木) 表展作品のメイキング⑱ <付廻し、その2>』

さて、今回の『付廻し(切り継ぎ)』は、一文字⇒中廻(柱)⇒中廻(上下)⇒天地の順番で行いました。前回の記事では、一文字の付廻し(切り継ぎ)まで紹介しました。

今日の記事では、中廻(柱)⇒中廻(上下)⇒天地、の付廻し(切り継ぎ)を紹介します。普段の記事よりも写真の枚数が多くなっていますが、ご容赦ください。細かい部分の説明は割愛していますが、大まかな作業の流れはなんとなく想像できると思います。

まずは、前回の記事で紹介しました、一文字を継いだところを確認しましょう(写真2)。

11_2 ←写真2 作品に一文字を継いだところ

一文字を継ぎ終わったら、上下の一文字とも、作品の左右にとび出した部分をカットしておきます。

ここからが今日の内容です。

まずは中廻の柱を付廻し(切り継ぎ)ます。写真3は柱に使う布です。この布を縦方向に半分にカットして使います。

1 ←写真3 中廻(柱)に使う布

写真4と写真5は、実際に柱を継いでいる様子です。写真4では、作品の裏側の柱が乗る部分に糊を付けています。

2 ←写真4 糊を付けているところ

写真5は、柱の布を写真4で糊を付けた部分に接着させているところです(紙をあてた上から手で撫でています)。

3 ←写真5 柱の布を接着させているところ

写真6は、作品の裏側に柱の布を継いだところです。

4 ←写真6 作品の裏側に柱の布を継いだところ

表から見たらこのようなかんじです(写真7)。

5 ←写真7 写真6を表から見たところ

これで片方の柱の付廻し(切り継ぎ)ができました。これと同じことをして、もう片方にも柱の布を付けると、写真8のようになります。

6 ←写真8 両方の柱をつけたところ

次は、中廻の上下の布を付廻し(切り継ぎ)ます。

中廻の上下に使う布を準備します(写真9)。ちなみに、幅の広いほうの布を上に使います。
(中廻の上下に使う布は、中廻の柱に使った布と全く同じものです。)

7 ←写真9 中廻の上下に使う布

まずは中廻の上の布から継いでいきます。

写真10のように、中廻の上の布が掛かる部分(のりしろ)を均一にするために、中廻の上の布を置くガイドとして定規を置きます。

8 ←写真10 ガイドの定規を置いたところ

中廻の上の布の裏面(ジョイント部分)に糊を付けて、写真10のガイドの定規に沿わせて置きます(写真11)。

9 ←写真11 中廻の上の布を置いたところ

ガイドの定規を外して、ジョイント部分に紙をあてて手でしっかりと撫でます(写真12)。

10 ←写真12 紙をあてて手で撫でているところ

これで中廻の上の布を継ぐことができました(写真13)。

11 ←写真13 中廻の上の布を継いだところ

中廻の下の布も、これと同様にして継ぎます。

次は天地の紙を付廻し(切り継ぎ)ます。

天地に使う紙を準備します(写真14)。中廻の上下を付廻し(切り継ぎ)したときと同じように、幅の広いほうの紙を天に使います。

12_2 ←写真14 天地に使う紙

では、天の紙を付廻し(切り継ぎ)している様子を紹介します。方法は、中廻の上下を付廻し(切り継ぎ)したときと同じ要領です。

まずは、天の紙が中廻の上とジョイントする部分に糊を付けます(写真15)。

13 ←写真15 天の紙が中廻の上とジョイントする部分に糊を付けているところ

中廻のときと同様に、ガイドの定規に沿わせて天の紙を置きます(写真16)。

14_2 ←写真16 天の紙を置いたところ

定規を外した後、紙をあてて手でしっかりと撫でます(写真17)。

15 ←写真17 紙をあてて撫でているところ

これで、天の紙を付けることができました(写真18)。

16 ←写真18 天の紙を継いだところ

同様にして、地の紙も付廻し(切り継ぎ)すると写真19のようになります。

17 ←写真19 地の紙を付廻し(切り継ぎ)したところ

これで、だいぶん掛軸らしくなってきました。

次回は、掛軸の幅を出して、耳折りをしていきます。

お楽しみに~

<おまけ>
各部分(一文字の上、一文字の下、中廻の柱、中廻の上、中廻の下、天、地)の仕上がったときに見える部分の寸法(長さや幅)は、付廻し(切り継ぎ)の工程に入る前におおよそ決定しておきます。そして、付廻し(切り継ぎ)の工程では、その決定した寸法に基づいて作業を進めていきます。

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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