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2013年11月30日 (土)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会 ver.) 10

こんばんは玉木覚です

かなり冷え込んできましたね。冬がやってきたという感じです寒くなってきた分、空気が澄んできたように感じて心地良いです

さて、掛軸のメイキング記事の続きです。

前回の記事では、掛軸の耳に糊を付けました。耳に糊を付けておくことで、総裏の裏打ち紙が耳に良く密着するようになります。(←これはかなりマニアックな話なので、「そういうものなんだ」と軽く流してください

今日は、総裏に使う材料を準備と総裏を入れたところを紹介します。
総裏に使う材料は、糊や刷毛などを除くと次のものが必要です。

●上巻(写真1、巻絹とも言います。)
●軸助(写真2、軸木部分の補強に使います。)
●袋(写真3、八双と軸木を取り付けるために使います。)
●宇陀紙(写真4、総裏用の裏打ち紙)

☆掛軸の各部名称については、こちらの記事を併せてご覧ください。
『掛軸の各部説明』

☆総裏、軸助、袋、などについては、こちらに関連記事があります。
『2010年11月20日 (土) 表展作品のメイキング⑲(覚ver.)<総裏の準備>』
『2010年11月23日 (火) 表展作品のメイキング⑳(覚ver.)<総裏しますよ~>』
『2012年12月26日 (水) 表展作品のメイキング記事 その16 (総裏)』

6_2 ←写真1 上巻

7 ←写真2 軸助

7_2 ←写真3 袋

上巻、軸助、袋の準備が出来たら、宇陀紙(総裏に使う裏打ち紙)の準備をします。
(今回のメイキング記事では、宇陀紙(総裏に使う裏打ち紙)の準備にスポットを当てます。紙面の都合で、上巻、軸助、袋などの紹介は上記のリンク記事に譲ります。)

宇陀紙とは、掛軸の総裏に使われる紙で、楮に白い土粉を混ぜて作られます。掛軸を裏返したときに見える紙が、宇陀紙です。宇陀紙の表面には、独特の美しい質感があります。
(宇陀紙について、詳しくはこちらをご覧ください。⇒『2012年2月19日 (日) 裏打ちの紙⑦ 宇陀紙』

1_2 ←写真4 宇陀紙

宇陀紙は紙の幅が長くありませんので、総裏をするときには宇陀紙を継いでいきます。しかし、宇陀紙をそのまま使ったのでは宇陀紙同士の継ぎ目が汚くなりますので、宇陀紙の継ぎ目には「喰い裂き」という加工をします。

☆「喰い裂き」についてはこちらにも関連記事がありますので、ご参考までにご覧ください。⇒『2011年12月 5日 (月) 表展作品のメイキング27 <総裏の準備、その2>』

今までは、「喰い裂き」を作っている様子とは言っても宇陀紙を手でちぎっている写真しか紹介していなかった気がしますので、今日はもう少し詳しく紹介します。

「喰い裂き」を作る為には、宇陀紙のほかに次の道具が必要です。
●毛先の細い刷毛
●ヘラ(骨で出来たヘラがおススメ)
●定規

では、実際に「喰い裂き」を作っている様子を紹介します。

まずは、宇陀紙を数枚重ねます。次に、宇陀紙の継ぎ目となる部分(喰い裂きを作る部分)に定規を置きます。そして、適度に水分を含ませた毛先の細い刷毛を定規に沿わせてサッと引きます(写真5)。こうすることで、宇陀紙に水で直線が引けます。

2_3 ←写真5 適度に水分を含ませた毛先の細い刷毛を定規に沿わせてサッと引いているところ

次に、ヘラで先ほど刷毛で作った水の直線の上を撫でます(写真6)。このときに、重ねた一番下の宇陀紙まで水分を浸透させる為に、程良い力加減が必要です。

3 ←写真6 ヘラで先ほど刷毛で作った水の直線の上を撫でているところ

重ねた一番下の宇陀紙まで水分が浸透したら、ここからは手で宇陀紙をちぎっていきます(写真7)。いつも載せていたのはこの作業(写真7)のことです。喰い裂きは、カッターナイフで切ったのとは違って、紙の繊維が引き出されています。総裏を入れるときには、この喰い裂き同士を継ぐことによって宇陀紙の継ぎ目を目立たなくさせます。これで、宇陀紙の準備ができました。

5 ←写真7 宇陀紙を手でちぎっているところ

実際に総裏を入れるときには、写真8のように宇陀紙を継ぎます。ここでは、準備した宇陀紙が足りるかどうか、総裏を入れるときと同じように掛軸の裏面に置いて確認しているところです。
(ただし、掛軸の上端には上巻が来ます。上巻は、写真8の一番右に写っている四角いものです。)

8_2 ←写真8 掛軸の裏面に宇陀紙を置いたところ

総裏を入れた後は、仮張りに掛けてしっかりと乾燥させます(写真9)。
(今回は紙面の関係で、総裏の糊付けなどは割愛いたします。)

10_2 ←写真9 総裏を入れた後に仮張りに掛けて乾燥させているところ

忘れないように軸助を付けておきます(写真10)。

9_2 ←写真10 軸助を付けたところ


掛軸は、仮張りにかけて十分に乾燥させた後、次の工程に進みます。

次は、八双を準備しているところを紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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