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2014年5月31日 (土)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その10.付廻し、その2>

こんばんは玉木覚です

今日は、掛軸のメイキング記事の続きです。

メイキング記事では、前回から付廻し(つけまわし)という工程を紹介しています。この工程では、増裏まで入れた作品の周りに、増裏まで入れた布を糊を使って貼り合わせていきます。付廻しの工程は、紙面の都合で3回に分けて紹介します。今日は、2回目の記事です。

☆付廻しに関しては、下記の記事をご参照ください。
今回の掛軸とは掛軸の形式が異なるので細かな手順は異なっていますが、作品の周りに布を切り貼りしていく様子が伝われば幸いです。ところで、参照記事はその1〜その8までと長い記事になっていますが、これは参照記事で紹介している掛軸の付廻しの内容が複雑だからです。今回のブログ記事の掛軸はここまで複雑な内容ではありません。
『2011年11月15日 (火) 表展作品のメイキング⑰ <付廻し、その1>』
『2011年11月17日 (木) 表展作品のメイキング⑱ <付廻し、その2>』
『2011年11月20日 (日) 表展作品のメイキング⑲ <付廻し、その3>』
『2011年11月22日 (火) 表展作品のメイキング⑳ <付廻し、その4>』
『2011年11月25日 (金) 表展作品のメイキング21 <付廻し、その5>』
『2011年11月26日 (土) 表展作品のメイキング22 <付廻し、その6>』
『2011年11月30日 (水) 表展作品のメイキング23 <付廻し、その7>』
『2011年12月 1日 (木) 表展作品のメイキング24 <付廻し、その8>』

では、ここから今日の記事の本題に入ります。

前回の記事では、作品の上下に金襴を付けました。この部分が、掛軸の「一文字」という部分です。

☆前回の記事⇒『2014年5月19日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その9.付廻し、その1>』

1 ←写真1 作品の上下に金襴を付けました。この部分が、掛軸の「一文字」という部分です。

今日の記事では、写真1の状態に掛軸の中廻という部分を付廻ししていきます。
☆中廻に関しては、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年6月21日 (火) 中廻(中縁)』

では、実際に中廻を付廻ししている様子です。まずは、掛軸の左右に中廻(柱と呼ばれる部分)に使う布を付廻しします(写真2、写真3、写真4)

2 ←写真2 中廻(柱)を付廻すために、糊を付けているところ

3 ←写真3 中廻(柱)を付廻しているところ

4 ←写真4 中廻(柱)を付廻しているところ(紙を当てて、しっかりと手で撫でています)

これで、片側の柱の付廻しが出来ました。もう片側の柱も同様にして付廻しします。両方の柱の付廻しが完成すると、写真5、写真6のようになります。

5 ←写真5 両方の柱の付廻しが完成したところ(裏側から見たところ)

6 ←写真6 両方の柱の付廻しが完成したところ(表から見たところ)

次に、中廻の上下を付廻していきます。

中廻の上下には写真7の布を使いました。

7 ←写真7 中廻の上下に使った布

では、中廻の上から付廻ししていきます。掛軸の上部に準備した布を当ててみます(写真8、写真9)。

8 ←写真8 掛軸の上部

9 ←写真9 掛軸の上部に準備した布を当てたところ

このときに、柱の柄と今当てた布(中廻の上)の柄が合っていることを確認しておきます(写真10、写真11)。
布の柄が合っていること:このことを写真10で説明すると、柱の鳳凰の柄(楕円形っぽい柄)の延長線上に今当てた布の鳳凰の柄(楕円形っぽい柄)がきています。また、鳳凰の柄から鳳凰の柄の距離も一定の間隔を保っています。このように、付廻しをするときに柄がずれないようにすることを、「柄を合わせる」などと呼びます。
ちなみに、写真11ですと、雲の柄で柄合わせをしています。

☆付廻しの柄合わせについては、こちらの記事もご参照ください。⇒『2010年11月11日 (木) 表展作品のメイキング⑰(覚ver.)<付廻ししますよ、その6>』

<おまけ>
余談ですが、今回の掛軸では布の柄合わせをしていますが、すべての掛軸で柄合わせをするわけではありません。布の柄合わせはしたりしなかったりと色々です。柄合わせをしていない掛軸もたくさんあります。
ちなみに、使う布の柄にもよりますが、柄合わせをすると柄合わせをしない時と比較してだいたい2倍程度の布を使います。

10 ←写真10 柱の柄と今当てた布の柄が合っていることを確認

11 ←写真11 柱の柄と今当てた布の柄が合っていることを確認

これで柄が合っていることが確認できたので、中廻の上を付廻しします(この付廻しの作業をしている写真は、割愛します。)。

次は、中廻の下の付廻しを行います。中廻の上の時と同様に、掛軸の下部に準備した布を当ててみます(写真12)。

12 ←写真12 掛軸の上部に準備した布を当てたところ

このときに、先ほどと同じように柄が合っているかを確認しておきます(写真13、写真14)。

13 ←写真13 柱の柄と中廻の下の布の柄が合っていることを確認

14 ←写真14 柱の柄と中廻の下の布の柄が合っていることを確認

これで柄が合っていることが確認できたので、中廻の下を付廻しします(この付廻しの作業をしている写真は、割愛します。)。

ここまでできたら、中廻の付廻しは完成です。

次回は、天地の布を付廻ししていきます。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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