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2014年11月27日 (木)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その4.布の柄合わせ>

こんばんは玉木覚です。

掛軸のメイキング記事をお送りします。今回のメイキング記事の掛軸は、こちら(写真1)です。

1  ←写真1 メイキング記事で紹介する掛軸(真ん中に写っている掛軸)

前回の記事では、掛軸に使う表具布を必要量だけ切って準備する様子を紹介しました。
☆前回の記事は、こちらです。⇒『2014年11月24日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その3.表具布の切り出し>』

写真2は、布を切るために使ったハサミです。

1  ←写真2 布を切るために使ったハサミ

写真3は、布(金襴)をハサミで切っているところです。

3  ←写真3 布(金襴)をハサミで切っているところ 

今日の記事では、布の柄合わせをしている様子を紹介します。
☆布の柄合わせに関しては、こちらの記事も参考にご覧ください。⇒『2014年3月31日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その3.布の柄合わせ>』

布の柄合わせの工程では、布の柄や繊維の織りが歪んでいる部分を手で直していきます。布の歪みを直して、布の柄を元通りに合わせていきます。

ところで、布の歪みは、布に裏打ちを入れる前に直しておくことが大切です。なぜなら、布に裏打ちを入れると裏打ち紙に布の繊維が固定されるので、布の歪みを直せなくなるからです。しかし、裏打ちを入れる前ならば布は裏打ち紙に固定されていませんので、手で軽く引っ張るとフニャフニャと動きます。
(もしも、布の歪みを直さないまま掛軸を作ると、仕上がった掛軸の布の柄は歪んだままになります。こうならないように、しっかりと布の歪みを直しておきます。)

では、作業に入ります。
(撮影の都合で、布を裏向けにして柄合わせをしています。)

まずは、中廻に使う緞子から柄合わせを行います。柄合わせを行うためには、柄を合わせるガイドとして定規を使います。また、柄合わせは、布に対して横方向と縦方向の二方向から行います。

まずは、布に対して横方向の柄合わせの様子です。写真4は、布の上に透明の定規を置いたところです。なんとなく定規の直線に柄が沿っているようにみえますが、よく観察すると定規の直線に対して柄がまっすぐに沿っていません。(ちょっとわかりにくくてすみません。)

9_2  ←写真4 布の上に透明の定規を置いたところ(定規の直線に対して柄がまっすぐに沿っていません。)

写真4の状態では良くないので、写真5のように手で軽く引っ張って柄の歪みを直していきます。具体的には、柄を定規のラインに合わせていって、柄が一直線に見えるようにします。

10  ←写真5 手で軽く引っ張って柄の歪みを直しているところ

これで、布に対して横方向の柄合わせができました。

次は布に対して縦方向の柄合わせを行います。布に対して縦方向の柄合わせは、写真6のように差し金を使って柄を合わせていきます。差し金は直角なので、すでに柄合わせをしている横方向の柄に差し金の一方を合わせると、差し金の他方は横方向の柄に対して直角方向を指します(写真6)。横方向の柄に対して直角方向を指した部分をガイドにして、縦方向の柄をまっすぐに直していきます。

11  ←写真6 すでに柄合わせをしている横方向の柄に差し金の一方を合わせたところ

次は、金襴の柄合わせの様子です。

写真7では、一文字に使う金襴の柄合わせを行っています。

5  ←写真7 一文字に使う金襴の柄合わせをしているところ

風帯に使う金襴も、同様にして柄合わせを行います(写真8)。

6  ←写真8 風帯に使う金襴の柄合わせをしているところ

ちなみに、掛軸の中廻(柱)に使った布は長さが約120 cmと長いです。しかし、長い定規を使ってしっかりと柄合わせを行います(写真9)。

12  ←写真9 中廻(柱)の布の柄合わせをしているところ

さて、天地に使う無地の布(魚子)ですが、これも今までと同様にして柄合わせを行います。しかし、魚子は無地ですので柄がありません。そこで、柄がない布の場合は、布を構成している経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が直角に交わるようにします。
●紙面の都合で、魚子の柄合わせをしている様子の写真は割愛いたします。
☆無地の布の柄合わせに関しては、詳しくはこちらの記事をご参照ください。⇒『2011年11月 3日 (木) 表展作品のメイキング⑨ <布の柄合わせ>』

これで布の柄合わせが出来ました。

次回は、布の縮(ちぢみ)を取ります。

今やっている工程は、お料理でいうところの下ごしらえの段階です。地味な工程ですが、しっかりとやることが大切です。

次回もお楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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