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2015年12月17日 (木)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その6.肌裏>

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸のメイキング記事です。この記事では、2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子をお届けしています。

2  ←写真1 2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸

前回の記事では、裏打ち(肌裏)に使う裏打ち紙を準備している様子を紹介しました(写真2)。
☆前回の記事は、こちらです。⇒『2015年12月 2日 (水) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その5.肌裏に使う裏打ち紙の準備>』

33  ←写真2 裏打ち(肌裏)に使う裏打ち紙を準備している様子

今日の記事では、肌裏の様子を紹介します。
:肌裏とは、掛軸を作る工程で一回目に行う裏打ちのことです。掛軸が完成するまでに、裏打ちを3回行います。一回目の裏打ちは「肌裏(はだうら)」、二回目の裏打ちは「増裏(ましうら)」、三回目の裏打ちは「総裏(そううら)」といいます。

☆肌裏に関しては、こちらの記事もご覧ください。⇒『2014年12月27日 (土) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その7.肌裏の様子>』

☆肌裏に関する記事は、こちらにもあります。特に①と②の記事の方が、今回の記事よりも詳しいことを載せています。
①⇒『2011年11月 6日 (日) 表展作品のメイキング⑪ <布の裏打ち(肌裏)>』
②⇒『2011年11月 7日 (月) 表展作品のメイキング⑫ <作品の裏打ち(肌裏)>』
③⇒『2014年4月26日 (土) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その6.肌裏>』

肌裏は、掛軸に使う作品と表具布のすべてに入れるのですが、その様子をすべてブログで紹介すると紙面が足りませんので、布(中廻)・台紙・作品、の三つに肌裏を入れている様子を紹介します。

肌裏の工程では、刷毛を使って糊を裏打ち紙に均一に塗ったものを、裏打ちをするものの裏面に貼り付けた後、仮張りと呼ばれる板にかけて乾燥させます。(乱暴な表現ですみません。)

文章ではイメージが掴みにくいと思いますので、写真を交えながら肌裏の様子を見ていきましょう。

まずは、刷毛を使って糊を裏打ち紙に均一に塗っていきます。この時に、糊の塗りムラが無いように気を付けます(写真3)。

1  ←写真3 刷毛を使って糊を裏打ち紙に均一に塗っているところ

糊を裏打ち紙に付け終わったら、裏打ちを入れるものの裏面に載せます(写真4)。このとき、裏打ちを入れるものの裏面に裏打ち紙の糊の付いた面が来るようにします。
写真4は、糊を付けた裏打ち紙を持ち上げて、布(中廻の布)の裏面に置こうとしているところです。

2  ←写真4 糊を付けた裏打ち紙を持ち上げて、布(中廻の布)の裏面に置こうとしているところ

写真5は、糊を付けた裏打ち紙を布(中廻の布)の裏面に置いたところです。

3  ←写真5 糊を付けた裏打ち紙を布(中廻の布)の裏面に置いたところ

ここまでできたら、シュロ刷毛を使って撫でます(写真6)。シュロ刷毛で撫でることによって、裏打ち紙と布を接着させます。

4  ←写真6 シュロ刷毛を使って撫でているところ

そして、仮張りにかけて乾燥させます(写真7)。

5  ←写真7 仮張りにかけて乾燥させているところ

これで、布(中廻の布)の裏打ちができました。

次は台紙に使う紙の裏打ちを紹介します。

先ほどと同じように、裏打ち紙に刷毛を使って均一に糊を付けます(写真8)。台紙の裏打ちに使う裏打ち紙は、ピンク色です。

6  ←写真9 裏打ち紙に刷毛を使って均一に糊を付けているところ

写真10は、糊を付けた裏打ち紙を台紙の裏面に置いて、シュロ刷毛で撫でているところです。

7  ←写真10 糊を付けた裏打ち紙を台紙の裏面に置いて、シュロ刷毛で撫でているところ

そして、仮張りにかけて乾燥させます(写真11)。

8  ←写真11 仮張りにかけて乾燥させているところ

最後に、作品に裏打ちを入れる様子を紹介します。

作品には墨が使われているため、万が一、滲むことの無いように作品の下に紙を敷いておきます。写真12の茶色い紙は、作品の下に敷く紙です。この紙は、作品を置く前にあらかじめ水分を与えて刷毛でシワの無いように伸ばしておきます。写真12は、水分を与えて伸ばした後です。

9  ←写真12 作品の下に敷く紙

ここに作品を裏向きにして置きます(写真13)。

10  ←写真13 作品を裏向けにしておいたところ

この状態で作品に水分を与えます(写真14)。そして、作品をシュロ刷毛で撫でてシワの無いように伸ばして、先ほどと同じようにして裏打ちを入れます。

11  ←写真14 作品に水分を与えているところ

写真15は、シュロ刷毛で撫でて裏打ち紙と作品を接着させているところです。

12  ←写真15 シュロ刷毛で撫でて裏打ち紙と作品を接着させているところ

そして、仮張りにかけて乾燥させます(写真16)。

13  ←写真16 仮張りにかけて乾燥させているところ

これで、肌裏が入りました。
写真には載せていないものも含んで、肌裏を入れたものを次に記載しておきます。
●天地に使う布、風帯裏の布(魚子)
●中廻に使う布(遠州)
●一文字に使う布、風帯表の布(金襴)
●作品
●台紙

次回の記事では、本日肌裏を入れたものを仮張りから剥がして、二回目の裏打ちである増裏の準備に入ります。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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