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2016年2月19日 (金)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その11.耳折り>

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸のメイキング記事です。この記事では、2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子をお届けしています。

2  ←写真1 2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸

前回の記事では、付廻しの様子を紹介しました(写真2)。付廻しの工程ができると、少し掛軸らしくなってきましたね。

121  ←写真2 付廻しの工程ができたところ

☆前回の記事は、こちらです。 ⇒『2016年2月 4日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その10.付廻し②>』

今日の記事では、「耳折り」という工程を紹介します。この工程では、掛軸の両端の布を掛軸の裏面に折り返して「耳」と呼ばれる部分を作ります(下記の<補足>を参照)。

☆耳折りの工程に関しては、こちらの記事もご参照ください。
『2015年3月25日 (水) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その14.耳折り、その1>』
『2015年4月 5日 (日) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その15.耳折り、その2>』

<補足>
耳折の工程では、掛軸の耳と呼ばれる部分を作ります。

○耳とは、掛軸の裏面の両端にある、布を折り返した部分です(写真3参照)。
☆耳の役割については、こちらの記事に譲ります。⇒⇒『2010年11月16日 (火) 表展作品のメイキング⑱(覚ver.)<『耳』を作ります>』
2 ←写真3 掛軸を裏から見たところ。矢印の先にある縦のラインが耳です。

では、今日の作業に入ります。

まずは、付廻しができたものを作業台の上に寝かせて、左右の不要な部分をカットします。そして、カットしたところから内側に約3 mmのところにホシツキ(千枚通し)を使って折れ目を付けます。では、ここまでの様子を、写真を交えながら見ていきましょう。
:表具布には二枚の裏打ち(肌裏と増裏)が入っていますので、なかなか硬くなっています。そこで、ホシツキを使って折れ目を付けることで、布を折り返しやすくします。
(作業の都合上、写真では、片側をカット→折れ目を付ける。そして、もう片側をカット→折れ目を付ける。というように片側ずつ作業を行っています。)

写真4は、掛軸の端の不要な部分をカットするために定規をセットしたところです。

1  ←写真4 掛軸の端の不要な部分をカットするために定規をセットしたところ

写真5は、不要な部分をカットしたところです。

2  ←写真5 不要な部分をカットしたところ

そして、カットしたところから約3 mmのところにホシツキ(千枚通し)を使って折れ目を付けます。具体的には、定規に沿わせてホシツキを滑らせて、折れ目を入れる部分を擦ってカタを付けます。写真6は、その様子です。

3  ←写真6 カットしたところから約3 mmのところにホシツキ(千枚通し)を使って折れ目を付けているところ

これで、片側の処理が出来ました。

同様にして、もう片側も処理を行います(写真7、写真8、写真9)。

4  ←写真7 掛軸の端の不要な部分をカットするために定規をセットしたところ

5  ←写真8 不要な部分をカットしたところ

6  ←写真9 カットしたところから約3 mmのところにホシツキ(千枚通し)を使って折れ目を付けているところ

次に、ホシツキでカタを付けた部分で布を折り返して、折れ癖をつけます(写真10)。

7  ←写真10 ホシツキでカタを付けた部分で布を折り返して、折れ癖をつけているところ

折れ癖をつけることが出来たら、折り返す部分に糊を付けます(写真11)。

8  ←写真11 折り返す部分に糊を付けているところ

糊を付けたら、布を折り返していきます。その際、アイロンを使って手早く接着していきます(写真12)。この布を折り返した部分が、耳と呼ばれる部分です。

9  ←写真12 布を折り返しているところ

写真13は耳が出来たところです。

10  ←写真13 耳が出来たところ

写真14は、掛軸の両側に耳を作り終えたところです。

11  ←写真14 掛軸の両側に耳を作り終えたところ

写真15は、掛軸の両側に耳を作り終えた掛軸を表から見たところです(写真14を表返して見たところ)。

12  ←写真15 掛軸の両側に耳を作り終えた掛軸を表から見たところです(写真14を表返して見たところ)。

これで、耳折りの工程が完了しました。かなり掛軸の完成形に近づいてきましたね。

次回の記事では、総裏の準備の様子を紹介します。

お楽しみに

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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