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2016年3月13日 (日)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その13.総裏>

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸のメイキング記事です。この記事では、2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子をお届けしています。

2  ←写真1 2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸

前回の記事では、宇陀紙(総裏に使う裏打ち紙)の準備の様子にスポットを当てて、総裏の準備の様子を紹介しました。写真2は、宇陀紙を手でちぎって喰い裂きを作っているところです。

77  ←写真2 宇陀紙を手でちぎって喰い裂きを作っているところ

☆前回の記事は、こちらです。 ⇒『2016年3月10日 (木)  表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その12.総裏の準備>』

今日の記事では、総裏の様子を紹介します。
:掛軸が完成するまでに合計で3回の裏打ちを施します。一回目の裏打ちを『肌裏』、二回目の裏打ちを『増裏』、三回目の裏打ちを『総裏』と呼びます。こちらに簡単に紹介しています。よろしければご覧ください。⇒「掛軸の作成工程」

☆総裏に関する記事に関しては、下のリンクの記事も併せてご覧ください。

『2015年5月12日 (火)  表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その18.総裏>』

『2011年12月 3日 (土) 表展作品のメイキング26 <総裏の準備、その1>』
『2011年12月 5日 (月)  表展作品のメイキング27 <総裏の準備、その2>』
『2011年12月 6日 (火) 表展作品のメイキング28 <総裏の準備、その3>』
『2011年12月 9日 (金) 表展作品のメイキング29 <総裏>』
『2014年6月 9日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その12.総裏>』

では、総裏の様子を見ていきましょう。

まずは、掛軸の丈を決めます。総裏を入れるときに袋と呼ばれる部材を取り付けるのですが、この袋を取り付ける部分に、八双もしくは軸木を取り付けます。
(袋で八双もしくは軸木を包むことによって、掛軸に八双と軸木を取り付けます。つまり、袋を取り付ける場所が、八双もしくは軸木を取り付ける場所になります。)

写真3は、掛軸の丈を決めている様子です。物差しの部分に八双もしくは軸木を取り付けるイメージです。

1  ←写真3 掛軸の丈を決めているところ

掛軸の丈を決定したら、本格的に総裏に入っていきます。

作業台の上に掛軸を裏向けにして置いたら、八双を取り付ける位置に袋をセットします(写真4)。
(八双を取り付ける位置とは、写真3の工程で決めた掛軸の上側の袋の位置。)

2  ←写真4 八双を取り付ける位置に袋をセットしたところ

では、裏打ちを行っていきます。はじめに、上巻き(絹)を使って掛軸に裏打ちを入れます。
写真5は、上巻き(絹)に糊を付けているところです。

3  ←写真5 上巻き(絹)に糊を付けているところ

しっかりと糊を付けたら、掛軸に裏打ちを入れます。写真6は、糊を付けた上巻き(絹)を持ち上げたところです。

4  ←写真6 糊を付けた上巻き(絹)を持ち上げたところ

そして、写真7は、上巻き(絹)で裏打ちを入れたところです。

5  ←写真7 上巻き(絹)で裏打ちを入れたところ

これで、上巻き(絹)を使って裏打ちが入りました。

ここからは、宇陀紙を使って裏打ちを入れていきます。写真8は、宇陀紙に糊を付けているところです。

6  ←写真8 宇陀紙に糊を付けているところ

糊を付けたら、どんどんと裏打ちを入れていきます(写真9、写真10)。

7  ←写真9 宇陀紙で裏打ちを入れていきます。

8  ←写真10 宇陀紙で裏打ちを入れていきます。

そして、最後の一枚というところまで来たら、軸木を取り付ける位置に袋をセットします(写真11、写真12)。

9  ←写真11 あと一枚で裏打ちが完了します。

10  ←写真12 軸木を取り付ける位置に袋を取り付けます。

軸木を取り付ける位置に袋を取り付けたら、最後の一枚の裏打ちを入れます(写真13)。

11  ←写真13 最後の裏打ちを入れたところ

これで、掛軸に総裏を入れ終わりました。写真14は、総裏を入れ終わったところの全体像です。

12  ←写真14 総裏を入れ終わったところの全体像

この後は掛軸を仮張りにかけて乾燥させるのですが、その前に掛軸を表返します(写真15)。

13  ←写真15 掛軸を表返したところ

掛軸を表返したら、掛軸にシワなどの不具合が生じていないかをチェックします。問題なければ、掛軸の周囲に出ている宇陀紙に糊を付けて仮張りにかけます(写真16、写真17)。

14  ←写真16 掛軸の周囲に出ている宇陀紙に糊を付けているところ

15_4    ←写真17 掛軸を仮張りにかけたところ(画像が横向きになっていてすみません。なぜか画像を90°回転させることが出来ないです。)

最後に、軸助けを取り付けて完成です(写真18、写真19)。

16  ←写真18 軸助けを取り付けたところ(わかりにくい上に、画像が横向きになっていてすみません。なぜか画像を90°回転させることが出来ないです。)

17  ←写真19 軸助けを取り付けたところ(わかりにくい上に、画像が横向きになっていてすみません。なぜか画像を90°回転させることが出来ないです。)

この状態で、掛軸をしっかりと乾燥させます。ここでの乾燥が不十分なまま仮張りから掛軸を剥がしてしまうと、掛軸がヨレヨレに波打ってしまうので注意が必要です。

では、掛軸を乾燥させている間に、八双と軸木の準備をしましょう。

次回の記事では、八双と軸木の準備をしている様子を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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