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2016年6月 9日 (木)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その19.裏擦り>

こんばんは玉木覚です

今日は掛軸のメイキング記事です。この記事では、2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子をお届けしています。

2  ←写真1 2014年の表展の青年競技大会に出品した掛軸

前回の記事では、風帯表と風帯裏に使う布を縫い合わせたものの先端に露を結いつけて、風帯が完成しました(写真2)。

☆前回の記事は、こちらです。⇒『2016年5月28日 (土) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その18.風帯の作製、その④>』

9  ←写真2 風帯表と風帯裏に使う布を縫い合わせたものの先端に露を結いつけているところ

今日の記事では、総裏後に仮張りにかけて乾燥させていた掛軸を仮張りから剥がして、裏擦りを施します。

☆裏擦りに関しては、こちらの記事もご覧ください。⇒『2014年7月 6日 (日) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その15.裏擦り>』

では、早速作業に入りましょう。

まずは、掛軸を掛けてある仮張りを作業台の上に寝かせます(写真3)。

1  ←写真3 掛軸を掛けてある仮張りを作業台の上に寝かせたところ

この状態で、ヘラを使って掛軸を仮張りから剥がします(写真4)。

2  ←写真4 ヘラを使って掛軸を仮張りから剥がしているところ

掛軸を仮張りから剥がしたら、裏擦りを行う前に掛軸の裏面にイボタ蠟*1という蠟塗ります。写真5が、イボタ蠟です。

*1:イボタ蠟とは、イボタカイガラムシ(イボタロウムシ)が作る蠟分を原料として作られます(一種のワックスです。)。『イボタ蠟』を付けることで、掛軸裏面に艶出しといった装飾を付与したり、掛軸を巻き仕舞うときに滑らかに巻きやすくするというように動作性を向上させます。

3  ←写真5 イボタ蠟

このイボタ蠟を、掛軸の裏面に軽く滑らせて塗っていきます(写真6、写真7)。

4  ←写真6 掛軸の裏面にイボタ蠟を塗っているところ

5  ←写真7 掛軸の裏面にイボタ蠟を塗っているところ

イボタ蠟を掛軸の裏面に塗り終わったら、裏擦りを行います。

裏擦りは、掛軸の裏面を数珠で撫でる工程です。裏擦りは、掛軸を柔らかくするために行います。写真8は、裏擦りに使った数珠です。

6  ←写真8 裏擦りに使った数珠

裏擦りの工程では、掛軸の裏面を数珠で撫でるのですが、力を入れて撫でないようにします。なぜなら、力を入れて掛軸の裏面を数珠で撫でると、数珠のカタが付いてしまい掛軸を損傷する恐れがあるからです。

また、数珠は掛軸に対して横方向(掛軸の幅の方向)に動かします。

写真9と写真10は、裏擦りを行っているところです。

7  ←写真9 裏擦りを行っているところ

8  ←写真10 裏擦りを行っているところ

これで、裏擦りの工程が完了しました。

次回の記事では、耳すきと呼ばれる工程を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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