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2017年3月25日 (土)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その5.肌裏に使う裏打ち紙の準備>

こんばんは玉木覚です

今日は、掛軸のメイキング記事をお送りします。

今回のメイキング記事では、古い掛軸の作品を使って、新しい掛軸に仕立て直しします。

出来上がった掛軸(仕立て直しをした後)は写真1、古い掛軸(仕立て直しをする前)は写真2です。

ちなみに、今回作った掛軸(写真1)は、行の行という形式の掛軸です。
☆行の形式については、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年7月 7日 (木) 『行』の仕立(掛軸)』

16  ←写真1 2016年表展の一般の部に出品した掛軸(仕立て直しをした後)

33  ←写真2 古い掛軸(仕立て直しをする前)

前回の記事では、布の縮み取りを行いました。
☆前回の記事は、こちらです。⇒『2017年3月22日 (水) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その4.布の縮取り>』

写真3は、布の縮み取りに使用したスプレーです。

111_2  ←写真3 布の縮み取りに使用したスプレー

今日の記事では、一回目の裏打ちである肌裏に使用する裏打ち紙を準備する様子を紹介します。

:肌裏とは、掛軸を作る工程で一回目に行う裏打ちのことです。掛軸が完成するまでに、裏打ちを3回行います。一回目の裏打ちは「肌裏(はだうら)」、二回目の裏打ちは「増裏(ましうら)」、三回目の裏打ちは「総裏(そううら)」といいます。
☆肌裏に使う裏打ち紙の準備の様子は、こちらの記事もご覧ください。⇒『2015年12月 2日 (水) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その5.肌裏に使う裏打ち紙の準備>』

☆裏打ち紙の種類などに関しては、こちらの記事をご参照ください。
『2012年1月24日 (火) 裏打ちの紙①』
『2012年1月28日 (土) 裏打ちの紙②』
⇒『2012年2月 1日 (水) 裏打ちの紙③』
⇒『2012年2月 4日 (土) 裏打ちの紙④』
『2012年2月 7日 (火) 裏打ちの紙⑤』
『2012年2月13日 (月) 裏打ちの紙⑥』
『2012年2月19日 (日) 裏打ちの紙⑦』

では、作業に入りましょう。

裏打ち紙は、約60 cm×約90 cmの大きさのものや、何十メートルものロール状になっているものなど様々な種類のものがあります。
今回の肌裏に用いた紙は、こちらです(写真4)。
この紙は京美人という名前の楮紙(いわゆる美濃紙)です。この裏打ち紙は一枚の大きさが約60 cm×約90 cmです。
京美人は美濃地方で漉かれたものではないので「いわゆる美濃紙」という表現をしていますが、品質は美濃紙と同等です。

1_4  ←写真4 肌裏に使用する裏打ち紙

☆裏打ち紙の準備を行う時は、裏打ち紙の種類(美濃紙、美栖紙、宇陀紙、など)と紙の厚み(極薄、薄口、中肉、厚口、など)を適切に選択します。
一般的には、肌裏には美濃紙が、増裏には美栖紙が、総裏には宇陀紙が用いられます。また、裏打ちに用いる裏打ち紙の厚みは、裏打ちを入れるもの(布や画仙紙)の厚さと硬さを考慮して選びます。
これらの詳しいお話は、上記のリンクをご覧ください。

紙の紹介に続いて、紙を裏打ちに必要なサイズにカットしていく様子を紹介します。

裏打ち紙は、裏打ちを入れるものよりも少し大きめのサイズで準備します。

なぜ、裏打ちを入れるもののサイズよりも裏打ち紙のサイズを大きくとるのかと言いますと、裏打ちを入れた後には仮張りにかけて乾燥させるという工程があるのですが、仮張りにかけるときに裏打ち紙の余分な部分が糊しろとして必要だからです。

文章ではわかりにくいと思いますので、仮張りの写真を見てみましょう(写真5)。
仮張りに掛かっているものの四方の白い部分が糊しろです。
☆仮張りに関する詳細は、こちらの記事をご覧ください。⇒『2011年3月25日 (金) 近所の桜の様子①/仮張り』

2_2  ←写真5 使用中の仮張り

話を元に戻しまして、裏打ち紙の準備の様子を見ていきましょう。

写真6は、裏打ち紙を必要な大きさにカットしているところです。

2_2  ←写真6 裏打ち紙を必要な大きさにカットしているところ

裏打ち紙は、写真7に写っているように裏打ちを入れるもの(写真7では布)よりも少しだけ大きく準備します。

3_2  ←写真7 裏打ちを入れる布と、この布の裏打ちに使用する裏打ち紙

この要領で、裏打ちを入れる布と作品に使うための裏打ち紙を準備していきます(写真8、写真9)。

4_2  ←写真8 裏打ち紙を必要な大きさにカットしているところ

5_2  ←写真9 裏打ち紙の準備ができたところ

これで、肌裏に必要な裏打ち紙の準備ができました。

次回の記事では、今日の記事で準備した裏打ち紙を使って肌裏を入れる様子を紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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