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2017年3月22日 (水)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その4.布の縮取り>

こんばんは玉木覚です

今日は、掛軸のメイキング記事をお送りします。

今回のメイキング記事では、古い掛軸の作品を使って、新しい掛軸に仕立て直しします。

出来上がった掛軸(仕立て直しをした後)は写真1、古い掛軸(仕立て直しをする前)は写真2です。

ちなみに、今回作った掛軸(写真1)は、行の行という形式の掛軸です。
☆行の形式については、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年7月 7日 (木) 『行』の仕立(掛軸)』

16  ←写真1 2016年表展の一般の部に出品した掛軸(仕立て直しをした後)

33  ←写真2 古い掛軸(仕立て直しをする前)

前回の記事では、布の柄合わせを行いました(写真3)。

55  ←写真3 布の柄合わせを行っているところ

☆前回の記事は、こちらです。⇒『2017年3月19日 (日) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その3.布の柄合わせ>』

今日の記事では、布の縮みを取る作業を紹介します。

この工程では、布に十分な水分を与えてからしっかりと乾燥させます。
☆布の縮み取りについては、こちらの記事もご覧ください。⇒『2015年11月21日 (土) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その4.布の縮取り>』

なぜこのようなことをするのか、その理由を簡単に説明します。
布には、水分を吸収すると伸びて、乾燥すると縮むという性質を持っています。この性質が少し厄介でして、布にいきなり裏打ち(肌裏)を入れると、裏打ちの糊の水分を布が吸って布が伸びてしまいます。布が伸びるということは、布にシワが生じる原因になります。もし、肌裏を入れてから布が伸びて布にシワが生じると、シワが出来たままの状態で肌裏が入ることになります。そうなると布のシワは消えません。ですので、布に肌裏を入れる前にあらかじめ布に水分を与えてから乾燥させることによって、布を縮めておきます。これを「布の縮を取る」といいます。一度布の縮を取っておくと、布に肌裏を入れてもシワが生じるリスクをかなり軽減することが出来ます。

では、実際の作業に入りましょう。

この作業では、スプレーを使って布に水分を与えます。
写真4が実際の作業に使ったスプレーです。

111  ←写真4 スプレー

作業台の上に柄合わせをした布を置いて、スプレーで水分を与えます。
<余談>写真5では、布を表向けて置いていますが、実際にスプレーで水分を与えるときは布を裏向けにして水分を与えます。

1_3  ←写真5 スプレーを構えたところ(実際にスプレーで水分を与えるときは、布を裏向けにして水分を与えます。)

この状態で、布に十分な水分を与えてから、しっかりと乾燥させます。
そうすることによって、布が数mm程度縮みます。
この工程で布が縮むことによって、肌裏を入れるときに布が縮んでシワが生じることを防ぎます。

布がしっかりと乾いたら、次は一回目の裏打ちである肌裏に使用する裏打ち紙の準備を行います。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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