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2017年7月10日 (月)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その17.風帯の作製、その②>

こんばんは玉木覚です

今日は、掛軸のメイキング記事をお送りします。

今回のメイキング記事では、古い掛軸の作品を使って、新しい掛軸に仕立て直しします。

出来上がった掛軸(仕立て直しをした後)は写真1、古い掛軸(仕立て直しをする前)は写真2です。

ちなみに、今回作った掛軸(写真1)は、行の行という形式の掛軸です。
☆行の形式については、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年7月 7日 (木) 『行』の仕立(掛軸)』

16  ←写真1 2016年表展の一般の部に出品した掛軸(仕立て直しをした後)

33  ←写真2 古い掛軸(仕立て直しをする前)

前回の記事では、風帯に使う布(風帯表、風帯裏)の準備を紹介しました。(写真3)。

199  ←写真3 風帯に使う布(上の二本が風帯表、下の二本が風帯裏)

☆前回の記事は、こちらです。⇒『2017年6月19日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その16.風帯の作製、その①>』

今日は前回の続きで、風帯を作る様子を紹介します。
今日の記事で、風帯が完成します。

☆風帯を作っている様子は、こちらの記事もご覧ください。
『2016年4月13日 (水) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その15.風帯の作製、その①>』
『2016年4月22日 (金) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その16.風帯の作製、その②>』
『2016年5月10日 (火) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その17.風帯の作製、その③>』

『2016年5月28日 (土) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その18.風帯の作製、その④>』

『2014年8月14日 (木) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その19.風帯を作る①>』
『2014年8月24日 (日) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その20.風帯を作る②>』
『2014年8月27日 (水) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.) <その21.風帯を作る③>』

☆☆風帯については、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年6月16日 (木) 風帯(ふうたい)』

今回作った風帯は、写真4のタイプと同じように掛軸の上辺から二本垂らすタイプのものです。

1  ←写真4 風帯

では、作業に入っていきましょう。

まずは、風帯表と風帯裏を針と糸を使って一つに縫い合わせます。
写真4は、風帯表と風帯裏を縫い合わせる作業に使った針と糸です。針と糸は、ご家庭で一般的なお裁縫に使用されるものです。

1  ←写真4 針と糸

早速、風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしていきましょう。
写真5、写真6は、風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしているところです。

ちなみに、針と糸で縫っている部分は、前回の記事で折り目を付けた部分です。
→今回の記事では、前回の記事でカタを付けた部分をアイロンで処理する工程を割愛しています。
このあたりの詳しいお話にご興味のある方は、下記の記事をご覧ください・

『2016年4月22日 (金) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その16.風帯の作製、その②>』

『2016年5月10日 (火) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その17.風帯の作製、その③>』

2  ←写真5 風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしているところ

3  ←写真6 風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしているところ

写真7は、風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしたところです。

4  ←写真7 風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしたところ

写真8は、風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしたものを、裏側(風帯裏の側)から見たところです。風帯表の幅よりも風帯裏の幅の方が約5厘狭いので、風帯裏の両端に僅かに風帯表が見えています。
*:行の様式(行の真、行の行、行の草)と草の様式(草の行、草の草)の掛軸に使われる垂風帯(さげふうたい、たれふうたい)は、一般的には、風帯表の幅よりも風帯裏の幅の方が約5厘狭いです。

5  ←写真8 風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしたものを、裏側(風帯裏の側)から見たところ(風帯裏の両端に僅かに風帯表が見えています。)

これで、風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにすることができました。
風帯は掛軸に二本必要ですので、まったく同様にして、もう一つ同じものを作ります(写真9)。

6  ←写真9 風帯表と風帯裏を縫い合わせて一つにしたものを、二本準備したところ

写真10は、写真9を風帯裏の側から見たところです。

7  ←写真10 写真9を風帯裏の側から見たところ

引き続いて、露(つゆ)と呼ばれる白い糸でできた総(ふさ)を風帯表と風帯裏を一つにしたものの先端に縫いつけます。
*:本記事では以下、風帯表と風帯裏を一つにしたもののことを、便宜上、風帯と記載することにします。(風帯は、風帯表と風帯裏を一つにしたものの先端に二つの露を縫い付けて完成します。)

写真11は、露を縫い付ける前の状態です。

8  ←写真11 露を縫い付ける前の状態

写真12は、作業に使用した縫い針と露です。露は細い糸の束なので、パッと見は細い紐のように見えます。

9  ←写真12 作業に使用した縫い針と露

では、風帯の先端に露を縫い付けましょう。
写真13は、風帯の先端に露を縫い付けているところです。

10  ←写真13 風帯の先端に露を縫い付けているところ

写真14は、風帯の先端に露を縫い付けたところです。このままでは見た目が悪いので、手を加えます。
まずは、ちょうど良い長さに露をカットします(写真15、写真16)。

11  ←写真14 風帯の先端に露を縫い付けたところ

12  ←写真15 露をカットしているところ

13  ←写真16 露をカットしたところ

最後に、ホシツキの先端を使って、露の形を整えます(写真17)。

14  ←写真17 ホシツキの先端を使って、露の形を整えているところ

写真18は、露の形を整えたところです。

15  ←写真18 露の形を整えたところ

これで、一つの風帯に露を一つ付け終わりました。
露は一つの風帯に二つ必要ですので、同様にして二つ目の露を縫い付けます。
写真19は、風帯に二つ目の露を付けたところです。これで、風帯が一つ完成しました。

16  ←写真19 風帯に二つ目の露を付けて、風帯が一つ完成したところ

これと同様にして、もう一つの風帯の先にも露を付けます。

写真20は、風帯の先に露を付けて、二本の風帯が完成したところです。

17  ←写真20 二本の風帯が完成したところ

風帯を作っている様子を駆け足で紹介しましたが、なんとなくでも作っている雰囲気をお伝えすることができたでしょうか。

今日の記事で作った風帯は、掛軸に軸木と八双を取り付けた後に掛軸に取り付けます。

次回の記事では、仮張りに掛けて乾燥させている掛軸を仮張りから剥がすところから紹介します。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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