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2017年7月13日 (木)

表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その18.裏擦り>

こんばんは玉木覚です

今日は、掛軸のメイキング記事をお送りします。

今回のメイキング記事では、古い掛軸の作品を使って、新しい掛軸に仕立て直しします。

出来上がった掛軸(仕立て直しをした後)は写真1、古い掛軸(仕立て直しをする前)は写真2です。

ちなみに、今回作った掛軸(写真1)は、行の行という形式の掛軸です。
☆行の形式については、こちらの記事をご参照ください。⇒『2011年7月 7日 (木) 『行』の仕立(掛軸)』

16  ←写真1 2016年表展の一般の部に出品した掛軸(仕立て直しをした後)

33  ←写真2 古い掛軸(仕立て直しをする前)

前回の記事では、風帯を作る様子を紹介しました。
写真3は、風帯に露を付けたところです。

17  ←写真3 風帯に露を付けたところ

☆前回の記事は、こちらです。⇒『2017年7月10日 (月) 表展作品のメイキング記事(一般の部 ver.)<その17.風帯の作製、その②>』

今日の記事では、仮張りから掛軸を剥がして、裏擦りという工程を行います。
*裏擦りの工程では、掛軸の裏面を数珠で軽く撫でます。裏擦りをすることによって、掛軸に柔らかさを与えます。

☆裏擦りに関しては、こちらの記事もご覧ください。⇒『2016年6月 9日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その19.裏擦り>』

では、今日の作業に入りましょう。

まずは、仮張りから掛軸を剥がします(写真4、写真5)。

1  ←写真4 仮張りに掛かっている掛軸

2  ←写真5 竹製のヘラで仮張りから掛軸を剥がしているところ

写真6は、仮張りから掛軸を剥がしたところです。

3  ←写真6 仮張りから掛軸を剥がしたところ

本題の裏擦りに入る前に、掛軸の裏面にイボタ蠟*1(写真7、ワックスの一種)を塗ります。

イボタ蠟を塗ることで、掛軸の裏面に艶を与えたり、掛軸を巻き仕舞うときに滑らかになって巻き仕舞いやすくなる、といった効果が期待できます。
*1:イボタ蠟とは、イボタカイガラムシ(イボタロウムシ)が作る蠟分を原料として作られます(一種のワックスです。)

4  ←写真7 イボタ蠟

では、イボタ蠟を掛軸の裏面に塗っていきましょう。
イボタ蠟を掛軸の裏面に滑らせるようにして塗っていきます(写真8、写真9)。

5  ←写真8 イボタ蠟を掛軸の裏面に塗っているところ

6  ←写真9 イボタ蠟を掛軸の裏面に塗っているところ

イボタ蠟を塗り終わったら、次は裏擦りを行います。

裏擦りの工程では、数珠(写真10)を使って掛軸の裏面を軽く撫でます。

7  ←写真10 裏擦りに使用した数珠

では、裏擦りを行いましょう。
写真11は、裏擦りを行っているところです。
裏擦りを行う時、数珠は掛軸に対して横方向(掛軸の幅の方向)に動かします。
このときに力を入れて掛軸を撫でると、掛軸に撫でた痕が付いたり、完成した掛軸の掛かりに悪影響を及ぼす恐れがありますので、注意が必要です。

8  ←写真11 裏擦りを行っているところ

これで、裏擦りの工程が完了しました。

次回は、耳すきの工程を紹介します。

ちょっとずつ掛軸の完成形が見えてきましたね☆

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/

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