« 第68回豊岡市美術展 | トップページ | 網干の魚吹八幡神社の秋季例祭 »

2017年10月23日 (月)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会 ver.)<その2.裏打ち(増裏)から切り継ぎまで>

こんばんは玉木覚です

今日は、メイキング記事の続きです。

このメイキング記事では、2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子を紹介します。
いつものメイキング記事ですと、掛軸ができるまでの工程を一つ一つ紹介していますが、今回は二つから三つの工程を一つの記事にまとめて紹介していきます。
1_3  ←写真1 2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸
前回の記事では、作品との対面から肌裏の工程までを紹介しました(写真2)。
55  ←写真2 作品に肌裏を入れているところ

今日の記事では、増裏の工程から付廻しの序盤の工程までを紹介します。
:増裏とは、掛軸を作る工程で二回目に行う裏打ちのことです。掛軸が完成するまでに、裏打ちを3回行います。一回目の裏打ちは「肌裏(はだうら)」、二回目の裏打ちは「増裏(ましうら)」、三回目の裏打ちは「総裏(そううら)」といいます。

☆増裏の準備の様子は、こちらの記事もご覧ください。⇒『2015年12月20日 (日) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その7.増裏の準備>』
☆増裏の様子は、こちらの記事もご覧ください。⇒『2016年1月14日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その8.増裏>』
☆付廻しの様子は、こちらの記事もご覧ください。
『2016年1月23日 (土) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その9.付廻し①>』
『2016年2月 4日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その10.付廻し②>』

では、今日の本題に入りましょう。

まずは、増裏に使う裏打ち紙を準備します。
今回の増裏に使用した裏打ち紙は、写真3のものです。

1  ←写真3 今回の増裏に使用した裏打ち紙

写真3の裏打ち紙を、裏打ちに必要な分だけカットしていきます(写真4、写真5)。
*写真4、写真5の作品には、すでに肌裏が入っています。(前回のメイキング記事を参照)

2  ←写真4 これから増裏を入れる作品を、増裏に使う裏打ち紙の上に置いたところ

3  ←写真5 裏打ち紙を裏打ちに必要な分だけカットしたところ

作品以外の増裏を入れるもの(布など)の裏打ち紙も、写真4と写真5のようにして裏打ち紙を準備します。

増裏に使う裏打ち紙の準備ができたら、実際に増裏を入れていきましょう(写真6)。

4 ←写真6 作品に増裏を入れているところ

増裏が入ったら、仮張りに掛けて乾燥させます(写真7)。

5  ←写真7 増裏を入れた作品を仮張りに掛けて乾燥させているところ

この要領で、掛軸に使う布にも増裏を入れていきます。
そして、増裏が入ったものを写真7のように仮張りに掛けてしっかりと乾燥させたら、次は付廻しの工程に入っていきます。

付廻しの工程では、作品の周りに布や紙を切り継いでいきます。

では、早速、付廻しの工程を見ていきましょう。

まずは、仮張りから作品を剥がして、作品の周囲の余分な裏打ち紙をカットします。
写真8は、作品の周りの余分な裏打ち紙をカットしたところです。

6 ←写真8  作品の周りの余分な裏打ち紙をカットしたところ

カットができたら、次は作品の周囲に筋を付けていきます。
ということで、作品の周囲に付ける筋を準備しましょう(写真9、写真10)。

作品の周りに付ける布は、金襴です。
金襴を細くカットして、筋として使用しました。
*ところで、写真9と写真10にあるように、作品の左右に使う筋と作品の上下に使う筋は、柄の向きが90°異なっていますが、これは筋に使う布の硬さが掛軸の仕上がりに及ぼす影響を考慮したためです。
↑何のことかよくわからない方も多いと思いますが、このお話を詳しく説明すると長くなるので、詳しいお話は別の機会に譲ります。

7  ←写真9 作品の周りに付ける筋(作品の左右に付ける用)

8  ←写真10 作品の周りに付ける筋(作品の上下に付ける用)

では、写真9と写真10で準備した筋を作品の周りに付けいていきます(写真11、写真12、写真13、写真14)。

9  ←写真11 作品の周りに筋を並べたところ

10  ←写真12 作品の周りに筋を付けているところ

11  ←写真13 作品の周りに筋を付けているところ

12  ←写真14 作品の周りに筋を付けたところ

これで、作品の周りに筋を付けることができました。

次回の記事では、作品の周りに台紙を取り付けていきます。

お楽しみに

表具師 玉木楽山堂

https://www.tamakirakuzando.com/

« 第68回豊岡市美術展 | トップページ | 網干の魚吹八幡神社の秋季例祭 »

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 第68回豊岡市美術展 | トップページ | 網干の魚吹八幡神社の秋季例祭 »