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2017年10月11日 (水)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会 ver.)<その1.作品との対面から裏打ち(肌裏)まで>

こんばんは玉木覚です

今日からは、2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子を紹介します。
いつものメイキング記事ですと、掛軸ができるまでの工程を一つ一つ紹介していますが、今回は二つから三つの工程を一つの記事にまとめて紹介していきます。
1_3  ←写真1 2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸
ところで、この掛軸はデザイン表具と呼ばれる形式です。
デザイン表具に仕立てることで、洋間でも楽しめるモダンな雰囲気の掛軸になったのではないかと思います。
ちなみに、この掛軸は部屋の中から窓を通してきゅうりと思われる野菜畑を眺めている様子をイメージして作りました。
さて、今日の記事では、作品との対面、布の選択、裏打ち、までの工程を紹介します。
まずは、作品との対面です。
今回の作品は、きゅうりと思われる野菜がなっている絵です。
作品の大きさは、縦が約33 cm、横が約27 cmです。
1  ←写真2 作品
次に、今回の掛軸に使用する布を選択します。写真3が、今回の掛軸に使用した布を選んでいる様子です。(写真3には、今回使用していない布も含まれています。)
2  ←写真3 今回の掛軸に使用した布を選んでいるところ
今回の掛軸にメインに使う布の色は白っぽい落ち着いたものにしました。
その理由は、今回の掛軸は部屋の中から窓の外を見ているイメージしたので、メインに使う布は部屋の壁紙をイメージしたからです(部屋の壁紙って、白っぽい落ち着いた色が多いですよね)。
そして、作品の周りを取り囲む筋は、緑色布の金襴にしました。
これは、畑の葉っぱの色を緑色に、太陽の光を金色に見立てて選びました。
最後に、中の布と天の布、中の布と地の布の間にある細い筋ですが、この筋には浅葱色のナナコを使用しました。
この筋は、浅葱色を用いることでみずみずしさを表現しました。また、中の布と天の布、中の布と地の布の間に筋を入れることで、デザイン的にのっぺりとすることを防ぐことを目的としました。
そして、これは布ではありませんが、作品の周りの台紙についてです。
台紙には黄色系の紙(二番唐紙)を用いました。
二番唐紙の黄色は、太陽の光と畑の土の色をイメージしています。
では、裏打ちをしていきましょう。
*掛軸に使う布を決めてから裏打ちを入れるまでには、布の裁断、布の柄合わせ、布の縮み取り、裏打ち紙の準備、という工程を経ます。今のメイキング記事ではこれらの工程を割愛していますが、これらの工程に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
掛軸に使う、布、紙、作品には、すべて肌裏と呼ばれる裏打ちを入れます(写真4、写真5、写真6、写真7)。
:肌裏とは、掛軸を作る工程で一回目に行う裏打ちのことです。掛軸が完成するまでに、裏打ちを3回行います。一回目の裏打ちは「肌裏(はだうら)」、二回目の裏打ちは「増裏(ましうら)」、三回目の裏打ちは「総裏(そううら)」といいます。
3  ←写真4 布に肌裏を入れているところ
4  ←写真5 布に肌裏を入れているところ
5  ←写真6 作品に肌裏を入れているところ
7  ←写真7 台紙に使う二番唐紙に肌裏を入れているところ

これで、肌裏までできました。
次回は、増裏以降の工程を紹介します。
お楽しみに

表具師 玉木楽山堂

https://www.tamakirakuzando.com/

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