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2018年2月 9日 (金)

表展作品のメイキング記事(青年競技大会 ver.)<その7.裏擦りと耳すき>

こんばんは玉木覚です

今日は、メイキング記事の続きです。

このメイキング記事では、2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸(写真1)を作っている様子を紹介します。
いつものメイキング記事ですと、掛軸ができるまでの工程を一つ一つ紹介していますが、今回のメイキング記事では、二つから三つの工程を一つの記事にまとめて紹介していきます。

1_3  ←写真1 2015年の表展の青年競技大会に出品した掛軸

前回の記事では、八双と軸木を準備している様子を紹介しました(写真2)。

☆前回の記事は、こちらです。⇒『2018年1月25日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会 ver.)<その7.八双と軸木の作製>』

9_2  ←写真2 軸木の準備をしているところ

総裏の工程を紹介しました(写真3)。

今日の記事では、掛軸を仮張りから剥がして、裏擦りをした後に耳すきを行う様子を紹介します。

☆裏擦りと耳すきに関しては、こちらの記事もご覧ください。
『2016年6月 9日 (木) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その19.裏擦り>』
『2016年7月 1日 (金) 表展作品のメイキング記事(青年競技大会の部 ver.) <その20.耳すき>』

では、今日の本題に入りましょう。

まずは、仮張りに掛けて乾燥している掛軸を仮張りから剥がします(写真3、写真4

)。

0  ←写真3 掛軸を仮張りに掛けて乾燥させているところ

1  ←写真4 掛軸を仮張りから剥がしたところ

ここから裏擦りの作業に入りますが、裏擦りを行う前に掛軸の裏面にイボタロウ*1を塗ります。

*1:イボタ蠟(ロウ)とは、イボタカイガラムシ(イボタロウムシ)が作る蠟分を原料として作られます(一種のワックスです。)。『イボタ蠟』を付けることで、掛軸裏面に艶出しといった装飾を付与したり、掛軸を巻き仕舞うときに滑らかに巻きやすくするというように動作性を向上させます。

2  ←写真5 イボタロウ

写真6は、イボタロウを掛軸の裏面に塗っているところです。

3  ←写真6 イボタロウを掛軸の裏面に塗っているところ

イボタロウを掛軸の裏面に塗り終わったら、裏擦りを行います。

写真7は裏擦りに使用した数珠、写真8は裏擦りを行っているところです。

裏擦りを行うことによって、掛軸が柔らかく仕上がります。
ただし、裏擦りを行う時は力を入れないように注意します。力を入れると、掛軸に数珠のカタがついてしまい掛軸を損傷する恐れがあるからです。

また、数珠は掛軸に対して横方向(掛軸の幅の方向)に動かします。

4  ←写真7 裏擦りに使用した数珠

5  ←写真8 裏擦りを行っているところ

裏擦りができたら、次は耳すきを行います。

耳すきの工程では、総裏の裏打ち紙である宇陀紙を耳が2厘程度見えるように手でめくり上げた後、そのめくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落とします。

写真9は、総裏の裏打ち紙である宇陀紙を耳が2厘程度見えるように手でめくり上げているところです。

6  ←写真9 総裏の裏打ち紙である宇陀紙を耳が2厘程度見えるように手でめくり上げているところ

宇陀紙をめくり上げたら、めくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落としていきます。
写真10は、めくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落としているところです。

7  ←写真10 めくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落としているところ

写真11は、片側の耳すきができたところ(めくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落としたところ)です。

8  ←写真11 片側の耳すきができたところ(めくり上げた宇陀紙を刃物を使ってそぎ落としたところ)

同様にして、もう片方の耳すきも行います。

写真12は、もう片方の耳すきができたところです。

9  ←写真12 もう片方の耳すきができたところ

最後に、掛軸の四隅に残っている余分な宇陀紙をカットしたら、耳すきの工程は完了です。

写真13は、掛軸の四隅に残っている余分な宇陀紙をカットしたところです。

11  ←写真13 掛軸の四隅に残っている余分な宇陀紙をカットしたところ

これで、耳すきの工程が完了しました。

次の記事では、掛軸に八双と軸木を取り付ける様子を紹介します。

お楽しみに

表具師 玉木楽山堂

https://www.tamakirakuzando.com/

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