映画・テレビ

2016年12月 6日 (火)

屏風のメイキング記事<その4.あかとり、羽根付け、くるみ付け>

こんばんは玉木覚です

今日は、屏風のメイキング記事です。

前回の記事から間が空いてしまい、すみません。

写真1の背景に写っている屏風が、今回の記事で紹介する屏風です。
屏風のサイズは、延し広げた状態で約60 cm ×約60 cmです。屏風としては比較的小型のサイズなので、ちょっとしたインテリアとして使いやすいです。

1  ←写真1 今回作る屏風

前回の記事では、通りつきができたところまで紹介しました(写真2)。
☆前回の記事は、こちらです。⇒『2016年11月 3日 (木) 屏風のメイキング記事<その3.増し釘、通りつき>』

66  ←写真2 通りつきをしているところ

今日の記事では、あかとり、羽根付け、くるみ付け、の三つの工程を紹介します。
あかとりは、骨下地の四方周囲の紙を刃物でそぎ取る工程です。この工程で余計な紙をそぎ取っておくと、屏風を仕上げたときに屏風の四方に凹凸が出ること無く綺麗に仕上げることができます。
羽根付けは、屏風の蝶番(ちょうつがい)部分そのものである、羽根を付けます。羽根には和紙を使用します。この工程では、羽根となる和紙を骨下地に付けます。
くるみ付けは、屏風の羽根を使って骨下地を連結した後に、羽根の上から和紙を貼り付ける工程です。蝶番(羽根が組み合わされたもの)の上から和紙を貼り付けることにより、蝶番を補強します。

☆このメイキング記事では、屏風が出来るまでの雰囲気をお伝えすることが第一の目的です。よって、その雰囲気を優先してお伝えするために、専門的なお話は割愛しています。その点をご了承の上、ご覧くださいませ。

では、作業に入りましょう。

前回の記事の通りつきでは、二枚の骨下地をネジで固定して一つにしていました。このままでは今日の作業に入ることができませんので、まずは二枚の骨下地を固定しているネジを外して、骨下地を二つにばらします(写真3)。

1  ←写真3 二枚の骨下地を固定しているネジを外しているところ

では、あかとりをしましょう。あかとりの工程では、よく切れる包丁を使って骨下地の周囲の紙をそぎ取っていきます(写真4)。

2  ←写真4 あかとりをしているところ

あかとりができたら、次に羽根に使う紙を準備します(写真5)。
今回、羽根には反故紙を使いました(反故紙は、胴貼りで使った紙です)。

3  ←写真6 羽根に使う紙(反故紙)

この紙を、骨下地の決められた位置に付けます(写真7)。
☆羽根を付ける位置は、あらかじめ計算して決めておきます。

4  ←写真7 骨下地に羽根を付けたところ

羽根を付けたら、この羽根を使って二つの骨下地を連結させます(写真8)。

5_2  ←写真8 羽根を使って二つの骨下地を連結させたところ

これで、二つの骨下地が組み合わされて、屏風の原型ができました。この状態で、完成品の屏風のように骨下地を延し広げたり畳んだりすることができます。
(写真8は、骨下地を延し広げた状態です。)

ただし、この状態では反故紙だけで骨下地が連結されている状態なので、強度的に問題があります。ですので、羽根(反故紙)の上から和紙を貼り付けることで、反故紙を補強します(写真9、写真10)。つまり、蝶番を補強することになります。この工程が、くるみを付ける工程です。そして、羽根の上から貼り付ける和紙を、くるみと呼びます。

6  ←写真9 くるみ(和紙)

7  ←写真10 くるみを付けているところ

くるみは、屏風の外側と内側の両方に付けます。
くるみを付けたら、蝶番の継ぎ目に切れ目を入れます(写真11)。
こうすることで、屏風を延し広げたり畳んだりすることができるようになります。
(くるみは一枚物の紙を使っており、その一枚物の紙で蝶番を覆っているため、くるみに切れ目を入れない状態だと屏風を延し広げたり畳んだりすることができません。)

8  ←写真11 蝶番の継ぎ目に切れ目を入れているところ

これで、くるみ付けの作業までできました。

次回の記事では、骨下地の角(ツノ)をカットして、短辺の通りつきをします。

お楽しみに~

表具師 玉木楽山堂

http://www.tamakirakuzando.com/